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『ゆっくり地獄山』 27KB 虐待 制裁 群れ ゲス ドスまりさ 自然界 虐待人間 15作目 anko3408 まりさのおしごと の設定を一部反映させております 男はいつものように、必要な物資を持って山へと足を踏み入れた。 重い荷物ではあるが、男の表情は喜色満面に輝いている。 季節は初夏。 緑鮮やかな山は、清々しい空気が充満していた。 梅雨さえ乗り切れば、何とかなるだろうな。などと男は考えながら歩く。 二十分も歩くと、そこへ辿り着いた。 男の足音を聞きつけたのだろう、そのゆっくりの群れたちは一斉に騒ぎ立て始めた。 人間が来たことへの恐怖ではない。 人間が来たことへの憎悪でもない。 「にんげんざん! にんげんざあああああああああああああん!」 「ごろじでぐだざい! れいぶだぢをごろじでぐだざい!」 「まりざだげでもおねがいじまず! ぐずのまりじゃをごろじでぐだざい!」 「おねがいじまずううううううううううううう!」 良い声だ。必死になって希望に縋るその様は、男をゆっくりとさせる。 一際大きな影……ドスまりさが、精一杯に体をうねうねさせて叫ぶ。 「にんげんざん! どずはぐずでず! どうじようもないぐずでず! だがら! だがら! どずをごろじでぐだざい! ぼうだえられまぜん! おねがい! おねがい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛でずがらあ゛あ゛!」 男は無言で、平たい岩の上に腰掛けると美味そうに冷たいお茶を飲み始めた。 冷やしたキュウリをポキンと折ってマヨネーズをつけて丸かじり、更におにぎりを もぐもぐとのみ込んでいく。 恨めしそうに、ゆっくりたちがそれを見つめている。 「うああ……おなが……おながずいだよお……」 「むーじゃむーじゃざぜでえ……ざぜでよお゛……」 「ぞんなのどう゛だっでいい……ごろじで……ごろじでえ゛……」 昼飯を食べ終わった男は、一匹一匹ゆっくりをチェックしていく。 一匹のありすが、苦悶と安堵の入り混じった表情で死んでいた。 男はそれを掴み、ドスまりさの元へと運んでいく。 ドスが絶望に満ちた表情を浮かべた。 「いやだ……いやでず……ぼねがい゛……もう゛……い゛や゛……」 男は無言でドスまりさの歯が一本もない口を開いて、強引に喉へと詰め込んでいく。 「おべええええ! ぼべ! おぐ……ぶぶぶ……! ぶび!」 餡子を吐き出そうとすると、男がそれをがっしりと押さえつけた。 漂う死臭、土とカスタードの入り混じった味、全てがゆっくりできない不快さだった。 他に死んだゆっくりはいないらしい。 安心して、男は一人一人に命の糧であるオレンジジュースを大量にスプレーして回る。 飲ませるのではない、あくまで降り注ぐだけだ。 この場合、ゆっくりは栄養を確保することはできるが空腹はほとんど満たされることがない。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっくち、ゆっくち、ゆっくち……ひひひひひ……ゆっくち、 ゆっくち、ゆっくぢ……!」 非ゆっくり症を発症したまりさに、ゆーくりーむを味わわせることなく無理矢理のみ込ませる。 発狂防止剤が中枢餡の機能を正常に戻させた。 「ゆ、ゆ……ゆぐ……ゆっく、り……」 男が満面の笑みで、そのまりさを見つめていた。 まりさは愕然とした表情で、ああああああ、と意味のない言葉を叫び続けた。 「ぼうずごじで! ぼうずごじでえいえんにゆっぐぢでぎだのに゛!」 他に非ゆっくり症を患いそうなゆっくりはいないようだ。 男は全員の頭をぽんぽんと軽く叩き、軽くなったリュックサックを背負った。 「まっで! まっでぐだざい! おねがいじまず! ごろじで! ごろじでぐだざい! ぼうゆっぐぢぢなぐでいいでず! なんでぼ! なんでぼじまずがらあ゛あ゛!」 ドスまりさの懇願に、男は一度も振り返ることなく――その場を立ち去った。 ゆっくりたちは追いかけない。 追いかけることができないのだ。 あんよを焼かれた訳ではない。 そもそもこの群れのゆっくりたちは皆――――――地面にあんよがついていないのだ。 『ゆっくり地獄山』 マンネリあき ドスまりさは、すっきりを解禁したことが正しかったのだと確信した。 先代ドスまりさの教えは間違っていたのだ。 だって、群れのゆっくりが作ったおちびちゃんたちは……こんなにゆっくりしているのだから! 「ゆっち、ゆっち、ゆっちぃ……」 「ゆゆ~ん! おちびちゃんはほんっとうにほんっとうにかわいいよおお!」 「ドス、ドスみてよ! おちびちゃんが、おちびちゃんがぴょんぴょんできるように なったんだよおおお!」 「ゆふふ。よかったね、れいむ!」 「ドス、ありすのおちびちゃんたちをみて!」 「ちょかいは!」 「どちゅ、ちょかいは!」 「ちょかいは~」 「ゆふん。ありすのおちびちゃんもほんとうにゆっくりしてるねっ!」 「ゆっくち、ちょかいは!」 群れのゆっくりたちが、次々とおちびちゃんを見せにやってくる。 その度に、ドスまりさのゆっくりは際限なく高まっていく。 「ゆふふ。ぱちゅりーがまちがっていたよ! やっぱりドスのやったことはただしかったんだね!」 すっきり制限を廃止すると幹部会議で告げたとき、真っ向から反対したぱちゅりーは、 彼女を慕う一部のゆっくりたちと共に、別の山へと旅立っていった。 彼女は相変わらず先代の教えを守り、すっきり制限をしているのだろう。 きっと、ゆっくりできていないんだろうな。 そんなことをドスまりさは考えた――が、ゆっくりしていないゆっくりのことを考えるのは ゆっくりできないと、目の前のおちびちゃんたちに意識を集中させた。 そもそも、先代は何故すっきりを制限したのだろう。 人間さんが怖いから、と言っていたような気がする。 ドスまりさも、人間についてはぼんやりとしか記憶がないが、大した大きさでもない癖に やけにゆっくりできてない存在だったことだけは覚えている。 ゆっくりできていない。 この世の全てはゆっくりのために存在すると考えるドスまりさには、それだけで生きる権利は ないと思うのだ。 群れの皆は、ゆっくりしている。 彼らの群れを脅かす敵は今のところ、存在しない。 群れを出て行ったぱちゅりーの代わりにサブリーダーに就任した『ぼせい』ゆたかなれいむが、 不安そうな表情でドスまりさに報告した。 「ドス、さいきん『かり』でとれるごはんさんがすくないよ! しょくりょうこのごはんさんも、 びちくぶんがなくなっているよ!」 「ゆゆ!? ど、どうして!?」 「れいむにはわからないよ! でも、ごはんさんがすくないとゆっくりできないよ!」 ヒント:おちびちゃんはたくさんごはんをたべる 「ゆぅ……そうだ! いいことおもいついたよ! にんげんにけんじょうしてもらえばいいんだよ!」 昔、先代ドスまりさに聞いた話である。 群れの食料が枯渇し、このままでは全滅もやむなしという状況に陥ったとき、人間が野菜を 差し出してくれたのだと。 先代ドスまりさは「だからにんげんさんには、かんしゃしなければいけないんだよ!」と 言っていたが、ゆっくりしていない人間がゆっくりに奉仕するのは当たり前である。 ドスはその後半部分は都合良く解釈して、「人間がゆっくりに野菜を与えた」という事実のみに 集中していた。 「ドス! にんげんって、あのゆっくりしてないいきものでしょ? そんなれんちゅうが、 ごはんさんをけんじょうしてくれるの?」 「だいじょうぶだよ! だって……ドスは、ドスなんだから!」 答えになってないのだが、歴代サブリーダーの中でトップクラスの餡子脳であるれいむには、 その言葉はさながら天啓のように響いたらしい。 れいむはキラキラした瞳でぴょんぴょんと飛び跳ねた。 「そうだね! ドスはドスなんだもん!」 「じゃあ、さっそくドスはいってくるよ! そのあいだは、れいむ! むれをまかせたよ!」 「わかったよ、ドス! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ドスはその重い図体をぴょんぴょんと跳ねて、山を降りていった。 れいむは群れのゆっくりたちに、ドスが人間にご飯を献上させにいったことと、食料はこれで 大丈夫であることを通達した。 群れのゆっくりたちは大喜びで、「もうびちくしなくてもいいよね!」とばかりに、溜め込んで いた食料を貪り食った。 そして、二日が過ぎた。 「ゆう……ドス、おそいよお。きっと、にんげんがわがままをいっているんだね」 サブリーダーであるれいむもまた、人間に関しては遠い彼方の記憶しかない。 ただ、とてつもなく――ゆっくりできない存在だったことだけは覚えていた。 もう少しだけ頭が良くて、もう少しだけ記憶を餡子に留める努力をしていれば、きっと彼女は 理解しただろう。そして、ドスの暴挙を止めさせようとしたかもしれない。 だが、れいむはゆっくりがゆっくりすることこそが義務と信じるゆっくりである。 ……野生の群れでも、賢い群れや人間・動物たちと関わりを持つゆっくりの場合、 「世界はゆっくりできないことだっていっぱいある」という認識を持つことができる。 だからこそ、「にんげんさんもゆっくりしていってね!」と口にすることができるのだ。 皆でゆっくりすれば、きっとゆっくりできるようになる。そう信じて。 愚かな群れ、そして脅威が存在しなくなった群れは、この言葉の解釈が違う。 「ゆっくりしていってね」とは「自分たちゆっくりのために、ゆっくりさせてね」という 確認の意味合いを持つようになる。 動物も、人間も、「ゆっくり」という価値観が前提にあって行動すると考える。 そして、自分たち種族が「ゆっくり」という名前を持つ――つまりそれは、「ゆっくりしている 存在だからゆっくりなのだ」と思い込むようになる。 いつの世も、ある程度の知能を持って社会を構築した生物はそのような考えを持つらしい。 「○○人こそが、人類を導くに足る存在である。自分たちの人種以外の人間は、劣等人種である」 というように。 だが、ゆっくりと人間とで決定的に違うものが一つある。 答えは簡単、『暴』という名の力だ。 「れいむ! れいむー!」 慌てて飛び跳ねてきたありすを、れいむは厳しい表情でもみあげを叩いた。 「れいむじゃない! れいむはさぶりーだーなんだよ! さぶりーだーってちゃんとよべって いつもいってるでしょお!」 「ご、ごめんねさぶりーだー」 「まったく……で、どうしたの?」 「にんげんが、こっちにくるんだよ! どうしよう!」 「ゆゆ。おそかったね、きっとにんげんがごはんをけんっじょうしにきたんだよ!」 「ゆわあ……ほんとに!?」 「さぶりーだーがうそをつくはずないでしょお! れいむのところにつれてきなさい!」 「ゆっくりりかいしたよ、れい……『ギロリ』……さぶりーだー!」 やや頭の弱いありすは、ぴょんぴょんと飛び跳ねていった。 「まったく、さすがにんげんだけあってゆっくりしていないね! こんなにまたせるなんて!」 普通ゆっくりしている方が待たせると思うのだろうが、この場合基準はあくまでれいむにある。 れいむがゆっくりせずに待っていたのだから、相手がゆっくりしていないのだ。 やがてありすが、人間を案内してきた。 人間の数は一、二……たくさんだ。 れいむはドスがいるだろうと思っていたが、なぜか姿が見えなかった。 もう少し観察力があれば、二人の人間がえっさほいさと白いスーツに包まれた何かを担架で 運んでいることが分かったのだろうが……。 やがて、先頭に立って歩いていた白衣の人間がれいむの前に立った。 「ゆっくりしていってね、にんげん! ごはんさんをもってきてくれたんだね!」 「ごひゃん、ごひゃん!」 「ごはんさんをゆっくりちょうだいね! すぐでいいよ!」 「ゆっくち、ゆっくちぎょはん!」 「ゆわぁ……あまあましゃん、くれりゅの?」 れいむの言葉を聞きつけたのだろう、わらわらとゆっくりたちが人間の下へと集まってくる。 「クソ。やっぱり赤ゆが増えてやがる……」 白衣の男の隣にいた人間が、ぽつりと呟いた。 れいむが耳ざとく聞きつけ、心底呆れかえった表情で告げた。 「そこのにんげん! おちびちゃんがふえたからどうだっていうの! かわいいかわいいてんしのようなおちびちゃんがたっくさんいたら、とってもとってもゆっくり できるんだよ!? にんげんはそんなこともしらないんだね! むちはこわいよ!」 「げらげらげら! おちびちゃんがふえたらにんげんはゆっくりできなくなるんだぜ!? まさしくけっかんせいぶつっ、なのぜ!」 「とってもとかいはなおちびちゃんたちをみてゆっくりできないなんて、まさしくいなかものね!」 「むきゅ! ぱちゅはしってるわ! こういうせいぶつをかとうしゅ、とよぶのよ!」 「かちょうちゅ?」 「そうよ、おちびちゃん! いもむしみたいに、ゆっくりできないせいぶつのことよ!」 「ゆっち! にんげん、かとうちゅ!」 「かとうちゅ! かとうちゅ! にんげんはかとうちゅ!」 その場にいた人間の殺気が膨れ上がる中、白衣の男だけはニヤニヤと笑いながら応じる。 「さて、サブリーダーのれいむさん。先代のドスが決めた掟に、すっきりの制限がありましたね?」 「ゆ……?」 すっきりの制限。 確か――確か、そんなこともあった気がする、とれいむは思った。 「これを破って、沢山のおちびちゃんを作ったのはゆっくりできることなんですか? 先代のドスの教えを破って、ですよ?」 「ゆ……」 実は、ゆっくりとはそれなりに保守的である。 特にドスまりさが決めた掟は、余程のことがない限りは破られはしない。 ドスまりさに従っているだけで「ゆっくりできた」ことが記憶に残っているからだ。 ドスがいなくなった後、群れが比較的よく保たれているのはそのことが大きく関係している。 だから、掟を破るということはゆっくりできないことなのだ。 これをゆっくりの論理で乗り越えるためには、一つの儀式が必要だ。 それはこの山の持ち主――白衣の人間の隣に居た男にとって、境界線であった。 その線を踏み越えれば、『博士』の言う通りにしようと、男は決めていた。 れいむは餡子脳で考えに考え、結論を出した。 「ゆっくりわかったよ! せんだいのドスはね、げすだったんだよ!!」 れいむがドヤ顔で告げた瞬間、男は嘆息した。 博士が笑顔のまま、問い掛ける。 「ほう。先代のドスがゲスだったため、掟を作ったのですか」 「そうだよ! だっておちびちゃんはこんっなにゆっくりできるからね! ゆっくりできるおちびちゃんをにんっしんさせなかったドスは、とってもゲス だったんだよ! ゆふふ、れいむかしこくってごめんね!」 「そうか……せんだいはゲスだったんだぜ……」 調子よく合わせることしかしないまりさが、そう呟くと群れは一斉に先代ドスへの 不満を噴出させた。 そう。「とってもゆっくりできるおちびちゃん」を作らせなかった先代ドスは、 ゲスであり、そんなゲスの下にいた自分たちも当然ゆっくりできていなかっただろう。 そんな解釈が、餡子脳でなされてしまったのだ。 「むきゅきゅ! ぱちゅりーはまえから、せんだいドスはゆっくりさせてくれないと おもってたわ!」 「そうね! あのドスはとかいはじゃなかったわ! なんであんなドスがりーだーだったの かしら!」 「せんだい、げしゅ!」 「せんだいドスは、げしゅだったんだね!」 「ゆゆん! さすがおちびちゃんはかしこいね! そう、せんだいドスはドゲスだったんだよ! おちびちゃん、りかいしてね!」 「「ゆっくちりかいちたよ!」」 博士の笑みは、ますます深くなる。 男の拳は強く強く握り締められる。 だが、先代ドスを非難することに合理的な解釈を得たれいむは、気付くことがない。 「サブリーダーのれいむくん。最後の質問です、では今のドスはゆっくりしていますか?」 「ゆふふ、あたりまえでしょお!? くずのせんだいとちがって、いまのドスはとってもゆっくり してるんだよおお!?」 「ほう……例えば、怪我をしていたら?」 「ちょっといたいいたいさんになったくらいで、ドスがゆっくりしてないはずないでしょお!?」 「おさげが千切れていたり、髪の毛がむしり取られていたら?」 「…………………………………………………………ゆ?」 そのとき、初めてサブリーダーのれいむは博士の笑顔を見た。 笑顔を浮かべているはずなのに、中枢餡がゆっくりできないと警告を発していた。 「片目が抉り出されていたら? あざが残るくらいに、人間たちに殴られ、蹴られていたら? 肌を震動させて突き出てきたペニスを、カンナでガリガリ薄く薄く削られていったら? 歯を一本抜いて、その度に爪楊枝で歯茎に当たる部分を突き刺されてグリグリされていたら? ハンダゴテであにゃるとまむまむをじっくりじっくりはんだ付けされていたらどうします? それでも、ゆっくりしていると言えるんですか?」 「に、にんげん? なに……いって、るの……」 博士は笑顔のまま、パチンと指を鳴らした。 背後にいた男二人が頷き、シーツを捲って担架から『それ』を放り捨てた。 「ゆ゛……ゆるじで……ゆるじでぐだざい……いだいの……いやでず……」 全員が、転がって落ちた物体が現リーダーのドスまりさであることを理解するのに、 三分を要した。 「「「ゆあああああああああああああああああああああああああ!? な゛ん゛な゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」」」 「今言った通りのことをしてあげたドスですよ。あ、一つ言い忘れてました」 男が二人、ドスまりさを強引に立たせた。 が、そのあんよは地面に着くことがない。 あんよの部分から、頭の部分まで、太い木が突き刺さっているのだ。 「こうやって、樫の木で作った杭で体を貫通させてみました」 「どぼじで! どぼじでごんなごどおお!」 「……当たり前だろうが、このボケども」 「なにがあだりばえ………………ごびょおおお!?」 博士の隣にいた男が進み出て、れいむを勢いよく蹴り飛ばした。 岩壁に叩きつけられたれいむの口から、砕けた歯がポロポロと飛び散った。 「いだい! いだい! れいぶの! れいぶのはが!」 キラキラした真珠のような、あるいは青空の白い雲のように美しい自慢の歯が、 見事に砕け散っていた。 ちなみに、人間からすると「北陸の冬空並みに真っ黒な歯」という感じに見えたが。 全身を走り回る激痛のせいで、悶えて尻をぷりんぷりんとセクシーに動かす(少なくとも れいむだけはそう思っている)ことしかできない。 「ふざけろこの馬鹿。あのドスはなぁ……」 博士がまあまあ、と男を押しとどめる。 「とりあえず、まずはやることをやってからにしましょう」 そう言って、博士たちは運んできた荷物から……細いものから太いものまで、沢山の 杭を取り出した。 「ゆ……ゆゆ……?」 もしこのとき、ゆっくりしないで全力で逃げるということができれば、数が少ない人間は追い切れずにゆっくりできたかもしれない。 だが、ドスまりさはひたすら人間に謝罪し、サブリーダーは体の痛みに打ち震えている今、彼らに 指示する者は誰もいなかったのだ。 初動の遅さが、群れの運命を決めてしまった。 「それでは早速――てい」 博士が、ラムネスプレーを手当たり次第にかけまくった。 たちまちゆっくりたちの目がトロンとしたものに変わり、 「ゆっくりおやすみするよ!」 などと言って、ぐーぐーと眠り始めた。 「……おい、糞れいむ」 先ほど彼女を蹴った男が、自身の痛みを嘆くだけのれいむのもみあげを引っ張り上げた。 「ゆがあ!? やべろ! にんげんごどぎが!」 「うるせえ」 パン、と空いた手でれいむの頬を叩く。 「ひっ! いだい! どぼじでごんなごど……!」 「お前は最後だ。お前の群れの連中がどうなるか、最初から最後まで全部見届けろ」 群れの連中がどうなるか? れいむはもみあげの痛みに泣きながら、恐る恐る群れの仲間たちを見て――絶叫した。 「な、な、なにごれえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?」 れいむも、まりさも、ありすも、ぱちゅりーも、子ゆっくりも、赤ゆっくりも、皆が次々と 杭に突き刺されていた。 「ゆぅ……ゆぴー………………ぐびぇ!?」 呑気に眠っていたれいむが、そっと持ち上げられると杭にあんよから突き刺さった。 ゆっくり、慎重に――中枢餡を避けつつ、脳天まで杭を貫かせていく。 「いじゃい゛! やべで! やべでぐだざい!」 「やめ……やめでろ゛お゛! ぐぞにんげんっ!」 「お前さあ、さっき先代ドスのことゲスって言ったよな?」 「ぞれがどうじだあ゛あ゛!」 「こうなるから、先代のドスはすっきり制限をしていたんだぜ?」 「……………………ゆ゛あ゛あ゛!?」 「俺はな、この山の持ち主だ」 「なにいっでるの! ごのやまはゆっぐりの゛ゆっぐりぷれいず……ひべ!」 自分たちのゆっくりプレイスであると説得しようとした途端に、殴られた。 「黙って聞け。俺はな、この山にお前等を住まわせてやってるだけだ。 ゆっくりだって、生き物だ。俺は躍起になって排除しようとは思わなかった。 先代ドスは、賢かったしな。 すっきり制限にも同意したし、たまに俺のとこに助力を乞いにやってくるときもあった。 知ってるか? お前たちが怪我をすると、ドスが治してくれていただろ?」 それは、ゆっくりできることだから覚えていた。 ドスが持ってきた、あまあまの薬。「にんげんさんがくれたんだよ! みんな、 にんげんさんにかんしゃしてね!」と言っていた気もする。 「あれは、ドスが俺に頼んだんだよ。オレンジジュースを少しでいいから下さいってな。 毎回毎回誠心誠意頼み込むし、お礼も欠かさなかった。山菜や食用のキノコを 持ってきてくれたんだよ、あのドスはな」 「ドス……が……」 「あいつとはよく、茶を飲みつつまったり……ゆっくりしたさ。お前等みたいな頭が悪い連中を、 ゆっくりさせることに全力を費やす様は、出来の悪い子供を持った親みたいだった。 でもな、アイツはいつも笑っていたぜ? 群れのみんなと、そして人間さんともゆっくり できて、ドスは幸せだってな」 ぎり、ともみあげを更に強く引っ張る。 「ちぎ! ちぎれりゅ! やめで!」 「で、アイツが死んだときもお前等がちゃんと泣いていたから。だから、このまま そっとしてやろうと思ったさ。ところが、だ……お前さっき、なんつった? 先代のドスのことを、何て言ったんだよ、おい」 「ゆ……ど、どすは……」 「ゲスって言ったよなあ? アイツのことを、ゲス呼ばわりしたよなあ? 先代のやったことをすっかり忘れた、とかなら俺もまあ納得したさ。 お前らの記憶保持力は弱いからな。だが……お前たちは覚えていた上で、ゲス呼ばわりしたな、 あいつの苦労を忘れて、都合良い解釈だけをしたな。れいむ、それだけは、ゆっくりとして やっちゃいけないことだった」 男は、すっきり制限を解禁したことを先代ドスの教えが忘れられたのではないか、 と思ったのだ。 それならば、群れのゆっくりたちを適当に痛めつけて掟を教え込むだけで済んだ。 だが、こいつらはあのドスの教えを知っていた上で馬鹿にした。 ゲスと断定して、誤魔化そうとした。 それだけは、絶対に許さない。 絶叫が先ほどから鳴り止まない。 成体ゆっくりが全て杭に刺されると、次は子ゆっくりと赤ゆっくりの出番だ。 男の手が無造作に子ゆっくりを掴んだ。 「やめちぇね! まりしゃ、ゆっくちしたいんだじぇ! ぷーすぷーすさんは ゆっくちできないんだじぇ! やめちぇ、やめちぇ……いやじゃあああああああ!」 悲鳴をあげながら、子まりさが刺された。 「ゆっくちとかいは! ありしゅはゆっくりしたとかいはなゆっぐりなの! だがらにんげんざん、だずげでね! ありしゅだけはだずげでね!」 「……」 男は無言で、子ありすを慎重に竹串に刺していく。 「やべちぇえええええ! いじゃい! いじゃいよおおお!」 子ありすは涙を流して尻をもるんもるんと振る。 「かとうしゅのにんげんのくしぇに、なまいきだよ! れいみゅ、ぷくーするよぷくー! ぷくー……! ぷしゅるるる、やめじぇ! れいみゅのほっぺたつままにゃいで! ゆんやああああああああああああ! おとうしゃん! おかあしゃんだじゅげでえええ!」 ぷくー、をしていた子れいむも竹串に突き刺さった。 そして、とうとう赤ゆっくりたちの出番がやってきた。 サブリーダーであるれいむと、ドスまりさが絶叫する。 「やべであげでね! ゆっぐり゛やべであげで! あがじゃん! あがじゃんだげは ぶーずぶーずじないでね! おねがいじまずうううう!」 「どずがゆるざないよ゛! ゆっぐりじだ! がわい゛い゛おぢびじゃんをいじめる゛のだげは ぜっだいに…………」 男がミドルキックを、ドスの腹部に叩き込んだ。 「ひべぎゃあ!? ず、ずいまぜん! ずいまぜんでじだ! なまいぎいいまじだ! でぼ! おぢびじゃんだげば!」 「あっはっは。ドスまりさくん、それは駄目です。不公平でしょ? こういうことは、ちゃあんと 平等に、綺麗に、公平に、真っ当に、一切合切きちんとやらなくちゃね」 博士は笑いながらそう言って、器用に赤ゆっくりたちを細く長い針で突き刺していく。 「ゆっじゃああああ! いじゃいよおお! ゆんあー! ゆんあーーーー!」 そうして、三百匹はいた群れのゆっくりたちが、全て杭に突き刺さった。 中には、一本の杭にまとめて三匹突き刺さっているものもいる。 誤って中枢餡を刺し貫かれて一瞬でゆっくりした者もいたが、九割以上のゆっくりは、 まだ痙攣しながら生きていた。 「さあ、ドスまりさくん。これが貴方の選択の代償というやつです。 人間が貴方たちに食料を献上する? 先代が口を酸っぱくして教えていたことを、何一つ 学ばなかったんですねえ、君は。まあ、過酷な時代を生き抜いた世代と、安穏として暮らしていた 世代とでは、餡子の質が違いますか」 「ゆ……が……」 「でもまあ、安心してください。ここから先、僕たちはあなたたちに何も危害を加えませんよ。 それどころか、望み通りに食料を与えてもあげましょう。ただし、君たちはそこから一歩たりとも 動けませんけどね」 あはははは、と楽しそうに笑う博士を見つつ……ゆっくりたちは一斉に叫んだ。 「「「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」」」 それから、二ヶ月が過ぎた。 雨が降れば、溶けてゆっくりできると思ったが甘かった。彼らはちゃんと、防水のビニールシート をその区域に被せていた。 最初の頃は、蟻に生きたまま食われる赤ゆっくりや子ゆっくりたちが続出した。 「やめるんだじぇ! ありじゃんはゆっくぢむこうにいくんだじぇ! やめじぇ、やめじぇ……ゆんやあああああ! まりちゃのあんこしゃんがだべられりゅうう!」 「おぢびじゃあああん! おぢびじゃああああああああん!」 山の持ち主はこれを防ぐため、防虫スプレーをゆっくりたちに掛けて回った。 「ぷしゅぷしゅさんはぐざいよ! ゆっぐりでぎないよ!」 そんなクレームは黙殺された。 非ゆっくり症に追い込まれたゆっくりがいた。 だが、彼らには非ゆっくり症を防止するためのゆーくりーむが与えられた。 それも、躾用として販売されている「無味」タイプのもので、あまあまの味すら期待できない。 ゆっくりたちは、老衰を別にすれば餡子が半分以上漏れるか吐き出さない限り死ぬことはない。 餡子を吐き出すようなゆっくりにはゆーくりーむで精神の安定が図られている今、ゆっくりたちは 死ぬことすらできずに、あんよから脳天まで突き刺さる強烈な痛みに悶え苦しみ続けた。 すーやすーや? すーりすーり? そんなことはもちろん不可能だ。 ある日。 子れいむが、とうとう我慢できずに泣き叫び始めた。 「おがあじゃん! おがあじゃん! いだいよ! いだいよ! しゅーりしゅーりしたいよ! しゅーりしゅーりしだいよ! ゆんやああああ! ゆんやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「おぢびじゃん! おぢびじゃん! まっででね! いま、そじらにいぐがらね! ゆ、ぎ…… ゆぎぎぎぎ……!」 ぶち、ぶち、ぶちぶちぶち! 耳障りな音を立てて、親れいむが杭から離れた。 「おぢびじゃん……いま……いぐがらね……」 「ゆっくりまってるよ! ゆっくり! ゆっくり!」 親れいむは、ボロボロの顔でにっこり笑っておちびちゃんの前に立って、すーりすーりしようと 顔を近づけた――が。 「ゆ……べ……」 「おかあ……しゃん?」 子れいむには見えていなかった。 親れいむの背中は、強引に杭から離れたせいで完全に引き裂かれていた。 そこから漏れた大量の餡子のせいで、彼女は永遠にゆっくりしてしまったのだ。 「おかあしゃん……しゅーりしゅーりしてね……しゅーりしゅーりだよ……おかあしゃん? おがあじゃん……おが……ゆ……あ……ゆんやああああああああああああああああああああああ!」 男はその死体を蹴り飛ばして、子れいむに告げた。 「お前が我が侭言わなければ、お前の母さんは死ななかったのにな」 「ぞんな……ぞんな……ぞんなあ゛あ゛!」 子れいむはあっという間に廃ゆっくりとなってしまった。 時折、竹串の痛みに震えながらぶつぶつと呟くだけだ。 ボロボロのドスが懇願する。 「ぼねがいじまず……ごろじでざぜでぐだざい……」 サブリーダーのれいむも涙を流しながらお願いする。 「れいむがまぢがっでまぢだ……せんだいどすは……ずごいゆっぐりでず……。 だがら……ぐずのれいぶだぢを……ごろじで……」 他のゆっくりたちも後に続く。 「おねがい……おねがいいいい……」 「もうやだあ……じにだい……じにだいよお……」 「づらい……づらい……いぎるのやだあ……ゆっぐりもじだぐない……もう、 じぬだげでいいんでず……」 もう、ゆっくりすることすらどうでもいい。 今の彼らには、ただ死ぬことだけが望みだった。 だが、男は告げる。 「駄目だ。お前たちが全滅すると、他の群れがやってくる。そうするとアレだ、 その……また一から人間との力関係を教えるのが、めんどくさい」 男はあっさりと、彼らの切なる望みを「面倒」の一言で切り捨てた。 「ぞんなあ゛……めんどぐざいっで、ぞんなあ゛……」 ドスまりさは理解していた。 これが「復讐」「制裁」「怒り」からやったものならば、まだいいのだ。 いつか怒りが頂点に達してトドメを刺してくれる、いつか怒りが和らいで許してくれる。 だが、面倒臭いというのは致命的だ。 面倒である限り、彼はとことんまで自分たちを生かし続けるだろう。 男は言う。 「梅雨どきはちゃんと、一人一人に防水加工をしてやる。れみりゃやふらんは追い払ってやる。 冬は、お前等が死なない程度に温かくするか、冬眠したくなるほどに寒がらせてやる。 お前ら、野生ゆっくりにしては幸運だぞ。年寄りになって死ぬまでゆっくりできるんだからな!」 男は笑う。ただひたすら、笑い続ける。 その笑いを聞きながら、ゆっくりたちは意識が遠のくのを感じていた。 ● ● ● ここは、ぱちゅりーが長を務める小さな群れ。 珍しいことに、今日は山から山へと旅をするゆっくりたちが客ゆっくりとして来訪していた。 広場に集まり、群れたちは旅ゆっくりたちの『えきさいてぃんぐ』な話に聞き入っていた。 「あんよからあたままで、ぷーすぷーすされてて……ずっとそこにいるんだぜ。 あのゆっくりできるはずのドスもなんだぜ!」 「わかるよー。ころして、ころしてってさけびつづけるんだよー! こわいよー!」 「ありすもきいたわ。にんげんさんにさからって、そんなばつをゆっくりえいきから あたえられたんですって!」 「れいむはえいきじゃなくて『はかせ』ってにんげんさんがやったってきいたことあるよ!」 「みょん! 『はかせ』はまっしろいしにがみだってきいたことあるみょん!」 話を聞く群れのゆっくりたちの表情は、恐怖のせいで青白くなっていた。 「ゆわあああ……きょわいよ……」 「ゆゆゆゆっぐりするんだぜ、おぢびじゃん……」 「まりさこわがりすぎだよ! ね、ねえ……おさ? こんなの、うぞだよね?」 「むきゅ。とにかく、こわいおはなしよね……」 (かれらのいう『はかせ』があの『はかせ』だとしたら……むきゅ。そうぞうもしたくないわね) ……旅ゆっくりたちの間で、伝説のように語られている話がある。 とてもゆっくりできそうな、とある山。 そこには、地獄に堕ちたゆっくりたちが姿を現すのだという。 「ころして、ころして、ころしてください」 と、彼らを監視する鬼に泣いて懇願するのだという。 だがしかし、鬼はその願いを聞き届けず。 そのゆっくりたちは、永遠に地獄の底で苦しむのだという――――。 <あとがき> 最初に群れから出て行ったぱちゅりーは、準レギュラーの彼女です バニラあき様、勝手ながら「ゆーくりーむ」の設定をお借りしました。 ありがとうございます。 感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1304613952/ 過去の作品 anko3216 愛するでいぶ anko3238 ゆ虐思考 anko3257 赤ゆ十連発(前編) anko3263 赤ゆ十連発(後編) anko3271 手を触れずに殺害せよ anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで anko3300 何もしない 赤ゆ編 anko3312 れうこくろりぐる anko3342 テンプレ的自滅シークエンス anko3358 くらくなるまでまってね! anko3368 ぷりぷりもるんもるん anko3428 子まりさと仲良し家族 anko3446 まりさ一家の転落ゆん生 anko3478 ぷーすぷーすぷーす! 挿絵:
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「ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね/コメントログ」 な、なんてとかいはなありすなのぉぉぉぉ!!! -- 2010-06-19 06 09 30 レイパー臭がするありすかと思ったら中々どうして気合入ったゆっくりじゃないか・・・ まぁ、結局退路を塞ぐ極めてゆっくりらしい結果を残したけどw -- 2010-07-09 04 14 35 ゲスまりさの家があっけなく吹っ飛ばされた場面で吹いたwww -- 2010-07-15 10 54 52 どうみてもレイパーの育成所ww -- 2010-07-24 11 28 18 とてもとかいはなじゅぎょうね!!とかいはなおちびちゃんのためになるわ! -- 2010-09-23 20 30 52 おうちが吹き飛ばされても生き残ったゲスまりさに拍手を -- 2010-11-17 00 21 50 逃げろぉ!!!ゆ虐ってレベルじゃねーぞぉ!! 鬼井山来てたんですかwww -- 2011-09-20 19 14 42 今回はアリスがちょっと真面目だな・・・・・・・・・・・最初を除いて -- 2012-07-07 21 31 21 やめろれいぱーwww赤ゆにれいぷを叩き込むんじゃないwwwww -- 2012-10-06 13 43 27 最期ちょっと悟りきって悲しいじゃねーか…… しかし、ありすwwお前なに教えてんだwww -- 2012-11-27 22 14 08
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どうすればいいのだろう 作、 茄子 まりさは苦悩していた。それは 『赤ん坊』だ、親を馬鹿にしているのだろうか 自分のいうことをまっったく聞かない どうすればいいんだろう、れいむも話を聞かないし… 「いい!?おとうさんのまねをしてするんだよ!みてて!」 そう言って親まりさは肛門を地面に触れるか触れないぐらいに 近づけて、『うんうん』をした、これが正しい『うんうん』の仕方 「おとーしゃん…なにうんうんしてるの?ばきゃにゃにょ? こどみょにきょうもんみしぇてはずかしきゅにゃいにょ? しゅーちぷれいにゃにょ?」 「みょういいよみゃりしゃ、うんうんとうちゃんはほっといて ごはんしゃんをたべようよ」 「…ッ!!」 これだ、こうやって親の話を聞かないのが悩みなのだ しかも妻のれいむは… 「さっさとかりへいってこいッ!!!」 どうすればいいんだろう… 「ごはんしゃんもたべたしうんうんしゃんをしゅりゅよ!!」 「しゅりゅよ!!」 果たしてちゃんとできるのか親まりさはどきどきして見守りました 「うんうんしゅりゅよーーーっ!」 赤まりさはひっくりかえりながらうんうんをしました 案の定顔にうんうんが付きました 「ゆっぴゃあああ!!くしゃいいいい!!!」 隣では赤れいむがうんうんにはまっていました、 どうして… 「うんうんくしゃいいいい!!!!」 「ゆぴゃあああああああああ!!!」 「しょうがないね、ちゃんとまりさのを見てなかったから こうなったんだよ!!」 そう言って親まりさは赤ゆ供をぺーろぺろしました 所が、 「なにきょどものうんうんしゃんにゃめてりゅの?」 「しょんにゃにりぇいむのうんうんしゃんにゃめたいの?」 「ッ!!」 さすがに親まりさも堪忍袋の緒が切れたようです 刹那、親まりさが赤ゆを突き飛ばしました、 「「ゆっぴゃああああああ!!!」」 「にゃにしゅりゅにょおおおおお!!!」 「しどうだよ!おやとしての!!!」 「ふざけるなあああああああああアッ!!!」 なんと親れいむが親まりさに向かって タックルをしたのです 「ゆべえええええええええ!!!!」 「なにがしどうだよ!!このこたちは こどもなんだよっ!!おやなんだから なんだっておしえなきゃいけないんだよっ!! じっくりじっくりとね!!! まったくこれだからまりさはだめなんだよ! かりしかのうがないくせに!!! だめおや!ぎゃくたいちゅう!! このくそあんっこさんがああああああああああ!!!」 すると、まりさの頭の中で何かが 『はじけました』 なやむ?どうすればいい? そんなのかいけつするのはかんたんだ それはっ… 「ゆっぎゃああああああッ!!!!」 「れいむがいけないんだよ!!!」 まりさは帽子に隠していた『棒』を れいむに突き刺しました 「いだいッ!!はなぜっ!!!」 「ゆははははははハッ!!!」 まりさは口を一の字に振りました するとどうでしょう、 綺麗にれいむの体が一の字切れたではありませんか 「ゆぎゃああああああああッ!! くそでぃーぶいがああああ!!!」 「くるしまくるしめくるしメッ!!!!」 まりさは踊っていました、れいむも踊っていました それは『死の踊り』あんこが飛び散る、踊りッ!!! 「ゆはー…ゆはー…」 「…………」 ペースト状になったまりさはものすごい快感におぼれました それはカタルシス、あぁ、また味わいたい、 まりさは後ろを向きました、そこには おびえている2匹の子供、 「おちびちゃん…」 「「っぴぃッ!?」」 赤まりさのはらからちーちーがでてきた 「おもらししちゃだめだよぉ 『掃除』しなきゃねッ!!」 親まりさは赤まりさの髪をくわえて ちーちーした場所に叩きつけました 「こうやってッ…そうじッ…するんだよッ!!!」 親まりさは赤まりさを地面に8の字の形に 擦り付けてました、 「ゆぴゃあッ!!やべッ!!やべでッ!!」 「だめだよ!じぶんがしたことは じぶんでかたづけなきゃねっ!!!!」 ぶちゅ… 「あはははっはああああああああ!!!」 又、この世のものとは思えない快感に 酔うまりさ、 解釈 きゅりゅってるよ!? (くるってるよ!?) にゃんであのばきゃおやはみんにゃを (なんであのばかおやはみんなを) きょりょしたにょ!?つぎはりぇいむのばん? (ころしたの!?つぎはれいむのばん?) きょろしゃりぇるの?あのばきゃに!? (ころされるの?あのばかに!?) その時、赤れいむは思い出した 親まりさの後ろからタックルして ぼろぼろにしたことを… しょうだ…りぇいむはあいつに (そうだ…れいむはあいつに) あんなきずをおわしぇたんだ!! (あんなきずをおわせたんだ!!) ほんきでやりぇばきゃてる!!! (ほんきでやればかてる!!!) 正直都合のいい妄想ですけどね まだ、まりさは快感の余韻に 浸っている、 赤れいむはまりさの後ろに回り… タックルッ!!!!! 「ゆふん!!りぇいむのすとろんぐたっくる!! いたしゅぎてちにぇ!!!!」 「…にげればいいものを…ほんとばかだね」 「ゆ?」 ビリリッ!!! 赤れいむの自慢の髪飾りが破れた いや、破かれた、まりさは、知能を得たのだ、 『ゆっくりを殺す知能!苦しませて殺す知能!』 「ゆわあああああ!!りぇいむのじみゃんの きゃみかじゃりいいいいいい!!!!!」 「ゆふふふ…もっと苦しませて、殺してあげるよ!」 知能も得たのだ ぶちゅ しゅみましぇん ぐちゅ やめて ゆるちて どちゅ ゆっぴゃあああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 「まだ、味わいたいこの感覚に」 まりさは群れへいどうしていったのだ
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「ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭/コメントログ」 赤ゆザマァwやっぱりこういう話は落ち着いて読めるな! -- 2011-01-21 17 42 04 個じゃなくて匹ってどういう事? 人でもないし -- 2011-03-16 21 45 51 ↓↓この人でなし!自分の子供に対してこのSSのような態度がとれるのか!!! -- 2011-08-23 13 42 40 愛好家「パクッ! これは虐待の味!」 -- 2011-11-28 17 23 43 ↓↓はいはい凸厨はアンチ掲示板に帰ってね -- 2012-01-01 11 22 56 おかーさーん!汚饅頭かってよー! -- 2012-04-10 21 58 23 xfgbhifh -- 2012-05-25 00 39 17 ↓×2 汚饅頭www -- 2012-11-17 13 48 00 湯栗町→ゆぐりまち→ゆっくりまち こんな感じの設定ですか? -- 2012-11-25 17 22 38 アンチがわざわざこういう場所に来るってのはあれか?ツンデレって奴か? -- 2013-01-18 09 36 54 すばらしい -- 2015-09-03 01 37 57 それなり -- 2018-08-25 23 33 33 美味そう -- 2019-03-30 13 53 36 やめてやれよー(建前グゥレイトっ!(本音 -- 2022-10-24 14 48 57
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『ゆジャンク後日談』 13KB 考証 愛情 不運 番い 飼いゆ 現代 六作目 前作のおまけ これは anko4303 ゆっくりジャンプワーク のおまけです。 愛ででも虐待でもなく、ただゆっくりを飼う事の難しさを書いています。 ゆっくり飼育の入門書を手に取り、ページを開く。 そこにはこう書かれている。 『ゆっくりがおちびちゃんを欲しがったら、それがそのゆっくりの寿命だと考えて下さい』 ゆっくりを飼う上で避けては通れない道がこれだった。 ゆっくりとは非常に貧弱なナマモノだ。それ故に繁殖欲求が強い。 貧弱でも沢山産めば、運が良い幾らかの赤ゆは生き残れる。そういう繁殖スタイルなのである。 (余談だが、魚のマンボウは一回の産卵で三億匹産んで、そこから無事に成魚になれるのはたった二、三匹らしい) 亜成体と呼ばれる成体一歩手前の段階、野良や野生なら独り立ちする時期辺りからゆっくりは番を求め始める。 そして番を見つけてら適した季節を選んですっきりーをする。 野良も野生も冬場や梅雨時は避けるし、野良は水不足が懸念されるので夏場も避けるだろう。 すっきりーをする季節を間違えば産まれてくる赤ゆは勿論のこと自分自身まで永遠にゆっくりしかねないので、余程の馬鹿でない限りここは間違えない。 しかし飼いゆっくりにそんなことは関係無い。 我慢しなければ死ぬ野良や野生、我慢しなくても死なない飼いゆっくり。 普段から快適な場所で生活をしている飼いゆっくりは年がら年中繁殖期なのだ。 『飼いゆっくりにすっきりーを我慢させるのはヘビースモーカーに禁煙させるより困難です』 入門書にはソフトな文章が書かれているが、俺は別の比喩を耳にしたことがあった。 それは、『男子高校生にオナ禁させるようなもの』である。 ……うむ。これは非常に難しい。一日二日ならともかく永遠に禁止となると我慢できない奴の方が多いんじゃなかろうか。 勿論、生まれつき性に関して淡白だとか強靭な精神力で我慢するとか悟りを開いて欲求を消すとか方法はあるかも知れないが、俺には無理だ。 このことを踏まえて飼いゆっくりのいる状況を例え話にしてみると、 家が金持ちな男子高校生がいたとする。 好きなものは何でも買ってもらえて美味い飯も食える。 ただしエロ関係はNG。エロ本もAVは当然ダメ。自慰も禁止。許可無く女性と性的な関係を持ったら家を追い出す、とまで言われている。 で、そいつが外に出てみると、貧乏そうな女の子が群がってくる。 服装は微妙なのだが、顔は可愛かったりスタイルが良かったり性格が良かったりするわけだ。 そんな女の子達が、 「わたし、君と仲良くしたいなっ☆」 「一緒にお散歩しよう? これ、デートのお誘いだからね♪」 「……好き///」 などと猛烈にアピールしてくる。 中にはいきなり服を脱いで股を開き、 「ねぇ、私と楽しいことしない?」 という直球勝負をしてくる奴もいる。 さて、その状況下でオナ禁を強制させられている男子高校生は欲望を我慢出来るだろうか? 金バッジのゆっくりが野良とすっきりーしてしまっても、それは責められない事なのかも知れない。 だが現実問題としてゆっくりの数が増えれば飼い主の負担も増える。 快適な環境でどんどん増えるゆっくりを飼い続けられるはずもない。 だから入門書に書いてあるのだ。 『ゆっくりがおちびちゃんを欲しがったら、それがそのゆっくりの寿命だと考えて下さい』と。 それ以上買い続けても碌な事にならない、と。 ゆジャンクには成分を調整したラムネがセットで付いてくる。 このラムネを食べたゆっくりは眠るように意識を失い、そのまま永遠にゆっくりする。 ゆジャンクを売り出している加工所は「飼いゆっくりは使い捨てのおもちゃ。ある程度楽しんだら処分するべき」と考えているようだった。 俺はソフトボールサイズまで育ったれいむを見る。 れいむはビー玉を転がしては追いかけて、一人で楽しそうに遊んでいる。 俺とれいむは「大家と入居者」という関係だ。入門書にもそういう関係が良いと書いてあったし、実際上手くいってる。 だから俺は、出来る限りそういう関係のままで行ってみようと思った。 月日は流れ―――― 既に亜成体、バスケットボールサイズにまで成長しているれいむは番を作りそうになっていた。 近くの自然公園に住んでいる野良まりさと良い感じらしい。 俺は百均ショップで風船を買ってきた。 そしてそれを膨らませてれいむのぷれいすに置く。 「れいむ。番と暮らすとぷれいすが狭くなるぞ。具体的にはこのぐらい狭くなる」 「このくらい、へいきっだよ!」 「番が出来たらおちびちゃん作るだろ。おちびちゃんが大きくなったらぷれいすがもっと狭くなるぞ」 俺は風船をどんどん膨らませてはれいむのぷれいすに置いていく。 「こ、これはせまいかもしれないよ。でも、いつでもすーりすーりできてしあわせーだよ!」 「大きくなったおちびちゃんが、番が欲しい、おちびちゃんが欲しい、って言ったらどうする。もっともっと狭くなるぞ」 「……ゆっ、そうだよ! おにいさん、れいむのぷれいすをひろげてね! ごはんさんはらうよ!」 「それだと俺のぷれいすが狭くなって俺がゆっくり出来なくなる。だから幾らゆっくりフードを用意してもダメだ」 「ゆぅ……でもでも! れいむは まりさといっしょにゆっくりしたいんだよ!!」 「れいむ。お兄さんとれいむ、どっちが頭が良い?」 「おにいさんだよ。おにいさんはれいむに たっくさんのことをおしえてくれたよ。でもおうたはれいむのほうがじょうずだよっ!」 「そうだな。じゃあ頭が良いお兄さんが教えてやる。番とおちびちゃんを諦めた方が長生きできるぞ」 「なにいってるの? ゆっくりはゆっくりするためにいるんだよ! おちびちゃんはとってもゆっくりできるんだよ!」 「おちびちゃんがいないゆん生には意味が無い、って言うのか?」 「ちがうよ! おちびちゃんがいればとってもゆっくりできるよ。とってもゆっくりしてたら、ながいきさんだってできるんだよ!」 ゆっくりしてる奴が偉い、強い、素晴らしい。 だからゆっくりしてれば万事上手くいく。そしておちびちゃんはとてもゆっくりできる。そういう考え方か。 まぁゆっくりにありがちな思考ではある。 「もう一回だけ聞くぞ。頭が良いお兄さんの言うことを信じて、番とおちびちゃんを諦めないか?」 「いやだよ! おにいさんはあたまがいいけど、こんかいはまちがってるよ!!」 「……そうか。分かった。ならもう何も言わない。家賃さえ払っていれば、そこはれいむのぷれいすだから好きにすれば良いさ」 ゆっくりフードなんて安いものである。 それに、ゆっくりのうんうんを加工所に持っていけばフードと交換してもらえるサービスもある。 だから俺の経済的にはれいむが番や子供を作っても何ら問題ない。 問題はその後のことだ。 その時が来たら、俺は飼い主としての務めを果たさなければいけないんだろうなぁ。 れいむは狙ったようにゲスと番になっては離婚を繰り返し、四匹目である善良ありすとの間にようやく赤ゆが生まれた。 俺がありすに「胎生妊娠で出来るだけ赤ゆの数を少なくしろ」と言っていたにも関わらずれいむが押し切り、数が多くなる植物型妊娠での出産だった。 赤れいむ二匹の赤ありす二匹、それに両親を足して合計六匹だ。家の中はにわかに騒がしくなり、明るく楽しくなった。 れいむとありすは可愛いおちびちゃんに囲まれてとてもゆっくりしていた。俺もゆっくり出来た。 だが、楽しい時間というのはあっと言う間に過ぎ去るものである。先延ばしにしていた結論を出す時が、いつかはやってくるのだ。 ここから先を続ける前に、先に説明しておくことがある。それは去勢についてだ。 前述の通り、ゆっくりは繁殖の欲求が非常に強い。おちびちゃんを持つことがゆん生で最高の幸せとすら考えている。 だから去勢する場合は時間をかけて説得し、ゆっくりが納得した上でする必要がある。 そうでないと自分がおちびちゃんを作れないと知った時にショックのあまり吐餡死したり、内に閉じこもる卑屈で陰気なゆっくりになったりする。 それはもう人が「飼いたい」と思うゆっくりとは別物だろう。 もし銀バッジ以下のゆっくりが去勢されているとしたら、ラムネで眠らせている間に勝手に処理していると考えてまず間違いない。 そしてゆっくりは「おちびちゃんをつくってゆっくりするんだ!」という思いを胸に、不能の体で不毛なゆん生を歩んでいくのである。 だから俺はれいむの去勢をしなかった。そしてそれが間違いだった。今思えば勝手に去勢しておけばよかったのだ。 そうすれば俺の部屋にいるゆっくりはれいむと番だけで済んだのだから。 生まれた赤ゆは子ゆになり、亜成体にまで成長した。(便宜上 子れいむ、子ありす と呼ぶ) そうなるとゆっくり達のぷれいすはかなり狭くなってしまう。 一畳のスペースに、バスケットボール六個、アタッシュケース、体重計、皿二枚を置けば大体そんな感じだ。 既に家として使っていた段ボール箱は取り除いてある。今はもう邪魔にしかならないからだ。 ぷれいすの一角に雑巾をまとめて置いてあり、寝るときはそれを足元に敷いて寝る。ゆジャンクの感圧板の上で寝るゆっくりもいる始末。 子れいむと子ありすが小さかった頃はぷれいすから出てこない日も多かったが、今では毎朝必ず入場料を払って俺のぷれいすに入ってくる。 そうしないと狭すぎてゆっくり出来ないからである。 そして、そんな状況にも関わらず子れいむと子ありすは番を欲しがるのだ。 ゆっくりにとってのすっきりー禁止がどれだけ難しいかは前に述べた。そしてゆっくりである親れいむと親ありすは身に染みて理解している。 しかし俺はぷれいすの拡張を認めない。それを認めればゆっくりはもっと増える。キリが無いからだ。 その状況下でゆっくり達が出した答えは、 「おにいさん! れいむたち、のらになるよ!」 「おそとならおちびちゃんがいてもへいきっだよ!」 「ありすはすっきりーしておちびちゃんをつくりたいの!」 口々に叫ぶゆっくり達。あぁやっぱりこうなったか。 子れいむ子ありすにはゆジャンクセットのDVDを見せて野良の厳しさを教えてある。 だが親ありすは元々野良だったので野良生活のノウハウがある。それが皆の拠り所になったらしい。 「ありす。本当に良いのか? お前、本当に野良に戻るのか?」 「……とかいはなおちびちゃんに、のらのいきかたをおしえられるのはありすだけなのよ」 「そうか。分かった。でもいつもの自然公園には連れて行けない」 「なんでえええええええええ!?」 「あそこにはありすのぱちゅりーがいるのよ! あそこじゃないとだめなのよおお!?」 「そうだよ! れいむのまりさだっているんだよおおおお!!」 「あの公園は一斉駆除されたからだ。これから何度も何度もやるらしいから、あそこに住むと駆除されるぞ」 「……ゆ、ゆんやあああああああああ!!」×4 子れいむと子ありす達は番になろうと思っていたゆっくりが駆除されたと聞き、絶叫した。 親れいむと親ありすはあまりのことに呆然としている。 この一斉駆除、実は嘘である。 ゆっくりを捨てるのはマナー違反だ。飼い主として最低の行為だ。だから俺がこいつらを野良にすることは出来ない。 しかしラムネを食べさせて殺すのも嫌だった。それで何か方法は無いかと頭を悩ませた。 結局、正攻法でやってみて後は運に任せるしかない、と決心した。 知り合いを当たってみた。だれも引き受けてくれなかった。 ネットの掲示板で里親を探した。見つからなかった。 スーパーの掲示板コーナーに張り紙をしてみた。見つからなかった。 当然である。 そもそも俺が増えたゆっくりを上手く飼えずに困っているのだ。 赤ゆを欲しがっているゆっくりを引き取ってくれる人などいるはずがない。いるとしたらそれは加工所か虐待派だ。 今時ゆっくりなんて掃いて捨てるほどいる。希少種か金バッジ持ちならともかく銅バッジの通常種を欲しがる人なんていないのだ。 捨てることは出来ない。だがこの状態で飼い続けてもそれは単なる飼い殺しで、俺もゆっくりも全然ゆっくり出来ないだろう。 『ゆっくりがおちびちゃんを欲しがったら、それがそのゆっくりの寿命だと考えて下さい』 やはりこの言葉は正しかった。 人間がゆっくりと仲良く過ごせるのは、ゆっくりが番を欲しがる前の子供の時だけなのだ。 もうラムネを食べさせて殺すしかないと思ったが、駄目元で近所にある雑木林の地主に交渉してみた。 もう飼えなくなったので手放したい。引き取ってくれる人はいなかった。だが殺処分はしたくない。 どうかこの雑木林にゆっくりを住ませてくれないか。 そういう内容の事を、出来る限り丁寧な口調で説明した。 俺が手土産に持っていったケーキを食べながら、その地主は言った。 「勝手に捨てていく人が多い中、わざわざ断りを入れに来る心掛けが気に入った。好きにしなさい」 俺の努力が実を結んだ瞬間だった。 これでゆっくりを死なせずに済む、と思ったが地主の言葉はまだ続いた。 「だが近隣の住宅から依頼された加工所が駆除に来る事もあるし、立ち入りは禁止してないからゆっくりを狩りに来る人もいる。それでも良いかね?」 「…………はい」 これはもう仕方無いだろう。 俺とゆっくり達は「大家と入居者」という関係だったが、それでも本質は「飼い主と飼いゆっくり」だ。 飼い主として、そこらの公園に捨てるなんて無責任なことは出来ない。受け入れ先があっただけでも御の字なのだ。 だから俺は「自然公園は一斉駆除があった」と嘘を付き、ゆっくり達を雑木林へと放すことにした。 俺は最後に「すーりすーりがしたい」と言うとゆっくり達は喜んで応じた。 一匹ずつ持ち上げ、頬を摺り寄せる。手ですーりすーりする事は何度もあったが、頬と頬でするのは初めてだ。 ゆっくり達も俺との別れを強く意識したのか、砂糖水の涙を流していた。 「おにいさん、いままでありがとう!」 「ありすたちがいなくても、ゆっくりしていってね!」 「おにいさんはとってもゆっくりしたにんげんさんだったよ!」 「ゆわああああああああああん!!」 「ゆううううう、ゆっくりいいい、ゆっくりしていってねええええええ!!」 「ゆぐっ……ゆっ……さ、さようならだよ……」 「あぁお前達。ゆっくりしていってね」 それから数日して。 今まで賑やかだった俺の部屋は、今はとても静かだ。 六匹もいたゆっくりが全部いなくなり、残ったのが俺一人なのだから当然である。 胸にぽっかりと穴が空いたような気がした。ぶっちゃけ、すげぇ寂しい。 ペットを失った人の悲しみを癒すにはペットを飼うのが良いらしい。 もう一度ゆっくりを飼ってみようか? そうだな、そうしよう。 ゆっくりとの付き合い方は理解したし、今度は銀か金バッジ持ちのを買っても良いだろう。 それか去勢済みの銅バッジでも良い。おちびちゃんは作れないが番と仲良く過ごしてくれ、と思う。 ……エゴだな、これは。だが仕方ない。 俺は仕事帰りにゆっくりショップへと足を運んだ。 男が夕暮れの道を歩いている。 その手にはゆっくりショップの箱が握られていた。 男はとても上機嫌で、今にも小走りしそうなほどだ。 それでいて手に持った箱を揺らさないようにゆっくり歩いているので、傍目にもウズウズしているのが分かる。 道端に車が停めてあった。 後部座席には小型の透明な箱が幾つも積み重なるように置かれていて、そこにはゆっくりが入れられていた。全部で十匹ほどだろうか。 ショップの箱を手に持った男がその車の傍を通る。 すると透明な箱に入れられたゆっくりの内の六匹が凄まじい反応を見せた。 大きく口を開き、涙を流し、泣き叫ぶ。 しかしその声は透明な箱によって阻まれ、男の耳には届かない。 男は手に持ったショップの箱ばかり見ていたので、1メートル離れた場所で騒ぐゆっくりにはまるで気付かなかった。 遠ざかっていく男の背中に何時までも叫び続ける六匹。 そこに車の持ち主であるモヒカン頭の男がやってきた。 モヒカン男は車のドアを開け、透明な箱を自宅の中へと運び込んでいくのであった。 了 挿絵:
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『いのちはたいせつ 後篇』 33KB 虐待 日常模様 引越し 家出 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 子ゆ ゲス ペットショップ 現代 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー 最後です 後編です。 先に前編と中編をお読みになってください 19 ぱちゅりーは人間を引きとめようと必死に追いかけたが、ゆっくりの足では到底追いつけるはずもなく あっさりとおちびちゃん達の待つお家は見つかってしまう 「しましまシートの綺麗なお家・・・ ああ、あれか」 「よくできてるなー! 他のボロ屑とは大違いで逆に浮いてるって言うw」 「おちびちゃあああああああん! にげてえええええええええええ!」 必死に叫んだものの、既にお家は完全に包囲されており逃げられる筈もない 人間がお家をひっくり返すと、なかからおちびちゃん達がぽろぽろとこぼれ落ちた 「「「「おしょらをとんじぇるみちゃいいいいいい!?」」」」 「おお!大量w で、こいつらどーすんのw」 「こいつを使う。 きっといい声で鳴いてくれるぜ」 リーダー格の人間はポケットから鍵を取り出した 形状からして何かの乗り物のカギのようだ 「ゆうううう! しぇんしぇーたしゅけちぇー! きょわいよー!」 「じゃ、ちびのだいじなだいじなところにフェードイーーーーーーーーーーーーン!」 「ゆぴ? ・・・・ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 「オラオラオラオラオラオラ!」 「ゆ・・・ゆげぇ・・・ もっじょ・・・ゆっぐじ・・・」 「あれ、もう死んじまった・・・つまんねぇ・・・」 赤まりさはあっけなく絶命した 脆く崩れやすい赤ゆっくりの身体は簡単に壊れてしまうのだ 「むぎゃあああああああ! おじびじゃああああああああん!」 「おいおい、こいつらお前の子供じゃないっしょ? なんでそんなに必死なのw」 「ぞのごだじばばじぇのがわいいおじえごなのおおおおおおおおお! おでがいでずがらごろざないでぐだざいいいいいいいいいいい!」 「へー・・・ 可愛いって割には抵抗しないんだな さっきの金髪どもは子供を取り返そうとして必死になってたのに」 「・・・・・・むぎゃ?」 「みろよ、あのありすとかいう饅頭は噛みついてまでして子供をとりかえそうとしたんだぞ」 そう言ってリーダー格は袖をまくった 腕にはうっすらとではあるが長ありすの番だったありすのものと思われる歯型が残っていた 「それに引き換え、やめろとは言うもののただ見てるだけのお前 やっぱり血の繋がってない他人ってことなんだな。 あ、血じゃなくて餡子か」 「そ、そんなこと・・・」 「おい! お前らのせんせーはお前らのこと別に助けたいとか思ってないってよ!」 「うぞぢゃああああああああああああああああ!」 「しぇんしぇーはれいみゅにょこちょみすてたりしにゃいいいいいいいいいい!」 「いいかげんにゃこちょいうちょまりしゃおこりゅよ! ぷきゅー!」 「ほらほら、皆お前のこと信じてるみたいだぞ? 助けてやれよ」 「む、むきゅう・・・ でも、ぱちぇがていこうしてもにんげんさんにはかなわないわ・・・」 「諦めんなよぉ! どうして諦めるんだそこで!」 「で、でもぉ・・・」 「かけがえのない命なんだろ? 大切な一つしかない命なんだろ? その命がゲス人間の手によって無慈悲に奪われようとしているのになにもしないのか?」 「ぱ、ぱちぇには・・・」 なまじ頭がいいため人間との力の差を理解して抵抗しようとしてもできないぱちゅりー リーダー格はつまらなそうにそんなぱちゅりーを見てため息をついた 「・・・はぁ。 もうなんかどうでもよくなってきた お前ら、大先生は抵抗しても無駄だからお前らのこと見捨てるってよ」 「まりしゃしぇんしぇのこちょしんじちぇちゃにょにいいいいいいいいいい!!」 「しぇんしぇええええええ?! れいみゅがきらいにゃにょおおおおおお!?」 「どぼじでだじゅげじぇぐれにゃいにょおおおおおおお!?」 「じがううううううううううううう! ばじぇはみんなだいずぎなのにいいいいいいいい!」 「だったらちっとは行動で示せばよかっただろ。 もうおせーよ」 そう言って手に持っていたおちびちゃん達を一匹ずつ地面へ落とす人間 高い位置から落とされたため地面にあんよが食い込む さながら、熟れた果物を床に落としたような光景だ 「ゆぁ・・・まりしゃの・・・ まりしゃのあんよしゃんがうごかにゃいいいいいいい!」 「ゆぴいいいいいいいい! いちゃいよおおおおお! うごけにゃいよおおおおお!」 「しぇんしぇええええええ! れいみゅをたしゅけちぇええええええええ!」 「ほらほら、金バッチなら助けるだろ? それともお前ゲスなの? だから助けないの?」 「ぱちぇはげすじゃないいいいいいいいいいいい!!」 「じゃあ助けろよw もうおせーけどなw」 「だなだな!」 「どぼじでだじゅげじぇぐれにゃ・・・ゆぎいいいいいいいいいいい! じぇんじぇえええええええええ! ぐるじいいいいいいいいいい! じぇんじぇ!ぱちゅりじぇんじぇ! ぐるじ!じぬ!じ『ぐちゃ!』・・・」 「みちぇないじぇはやくたしゅけちぇえええええええええええええええ! えええええごっごごおごおげえええええ! ごべべべおげべっべべ! でいびゅもう・・・・じゃ・・・め・・・ もっじょ・・・ゆ『べちょ!』・・・」 「しぇんしぇいのうしょちゅきいいいいいいいいいいいいいい!!! まもっちぇくれりゅっていっちゃよにぇ!? れいみゅを・・・ぴゅび!! ゆぴゅぅ! だじゅげ・・・じぇんじぇええええええ『げちょ!』・・・」 人間はぱちゅりーに断末魔を聴かせるたに一匹ずつゆっくりと体重をかけて潰した 助けを求められても動こうとしないぱちゅりーを睨みつけて絶命してゆくおちびちゃん達 「おじびじゃあああああああああああああああああああ!」 「もーいこうぜ。 なんか興ざめだわ」 「賢いっつっても無力なのには変わりはないんだなw だっせw」 「だなだな!」 「むぎゅううううううううううううう! ぱちぇがまもっであげるっでやぐぞぐじだのにいいいいいいいいいい! ごべんべええええええええええ! だめなぜんぜいでごべんべえええええええええええ!」 人間達は他の段ボールハウスを蹴ったりしていたが、しばらくすると何処かへ行ってしまった 残されたぱちゅりーは餡子の塊になったそれに泣きながら謝り続ける 「あれ~。 もしかして君バッチつきかなー?」 「ゆんやあああああああああああ! ゆんやああああああああああああ!」 悲しみに暮れたぱちゅりーは作業着の人間が話しかけてきたことにも気付かなかった 20 「ここだろ? ここでいいんだろ?」 「ずびばぜんんん! わざわざおぐっでいだだいでええええええ!」 「いや、かまわねーよ。 それよりさっきは言いすぎた、すまん」 「いいんでずうううううううう! ありがどうございばじだあああああ!」 おねーさんは金髪の説教を受けた後ゆっくりショップで閉店まで泣き続け、心配した店長の山田が車で自宅まで送ってくれた 車の中でも泣き続けたおねーさんは涙と鼻水と涎で服がぐしょぐしょに濡れてしまっている 「じゃあな、そんなに落ち込んでないで頑張れよ」 「はいいいいいいい! ずびばぜんでじだああああああ!」 「あのー・・・ もしかしてこの部屋の方ですか?」 「あん? おまえこんなところで何やってんだ?」 不意に作業着の男が話しかけてきた 山田はその男の顔を見て顔をしかめる 自分の店で働いている金髪の店員と顔が瓜二つなのだ 「えっと・・・ すみませんが何処かでお会いしたことありましたっけ?」 「いや、あんたとよく似てるやつと勘違いしたみたいだ・・・ 気にしないでくれ」 「はぁ。 それで、この部屋の住人の方は?」 「こっちの・・・ うわ!大丈夫か?」 「おええええええええ! だいじょうぶでずうううううう!」 おねーさんは屈みこんで胃の中の内容物を吐きだしていた ストレスに耐えきれず嘔吐してしまったようだ 「だ、大丈夫ですか!? もしかして飼っていたゆっくりが見つからなくて泣いているんですか? なら安心してください! 先ほど僕が保護しておきました!」 「うげえええええ! ・・・ほごおおおおおおおおお?」 「はい、こちらの金バッチのぱちゅりーで間違いないですか?」 作業着の男は透明なケースにをおねーさんに差し出した その中に入っているのは確かに数日前に家出したはずのぱちゅりーだった 防音性なのか声は聞こえないが、涙を流しながら何かを言おうとしている 「公園で保護したんですけど、そうとう弱ってるみたいで・・・ バッチに住所データが記録されていたので直接自宅まで伺わせていただいたんですよ」 「おでえざあああああああああああああああああん!」 ケースの蓋をあけるとぱちゅりーはおねーさんに飛びついた 何か恐いことでもあったのか小刻みに震えている おねーさんはそんなぱちゅりーをぎゅっと抱きしめた 「おでえざあああああああああん! ごべんなざいいいいいいいいいいい! ばじぇがまじがっでだわああああああああああああああああああああ!」 「わだじのぼうごぞごめんなざいいいいいいいいいいいいいいいいいい! ばぢゅりーのいうごどぼぎいでいでばごんなごどにわああああああああ!」 「ばじぇがんばっだげどおじびじゃんだじみんなごろざれじゃっだのおおおおおお!」 「わだじのぞだでだおじびじゃんぼげずになっじゃっだよおおおおおおおおおおお!」 「「ゆんやああああああああああああああああああああ!」」 「感動の再会ってやつですね! うう・・・なんだかこっちまで泣けてきた」 「・・・そうか? あまりぞっとしないけどな」 抱き合いながら涙を流す二人を見て 作業着の男はハンカチで涙を拭いて 山田はどうでもいいとでも言うかのように欠伸をした 21 「おねーさん? ほんきなの?」 「・・・本気だよ。 きちんと義務を果たして責任はとるよ」 「せきにんってなに!? ねぇ!? せきにんってなんなの!?」 「やべでええええええええ!!! ぜぎにんどらなくていいからゆっぐじざぜでええええええ!」 「やめるのじぇ! ゆっぐぢでぎないのじぇええええええ!」 「「「「ゆんやあああああああああああああああああ!」」」」 台所で包丁を手に真剣なまなざしで目の前の物を見据えるおねーさん 視線の先には親ゆっくりのまりさとれいむ そして透明なケースに入れられた癇癪まりさを含めた五匹のおちびちゃん達 ぱちゅりーは足元で心配そうに様子を窺っている 「お、おねーさん? せめてらむねさんでねむらせてから・・・」 「だめよ! そんなことしたら命を奪う実感が無くなっちゃう! 正面から向き合って命の大切さを思い知るためにもこのままいく! 大丈夫・・・この子たちの命は無駄にしない。 ちゃんと責任を持って全部食べるよ」 「おねーさん・・・ ぱちぇもきょうりょくするわ!」 完全にゲス化してしまった一家の処分を自らの手で行う決意をしたおねーさん かけがえのない命を無駄にしないために、その身を食らって処分しようというのだ ぱちゅりーはそんなおねーさんに感銘を受けて協力を申し出ている れいむが邪魔をしないように一旦ケースの中に入れて 親まりさを真っ二つに切断しようと左手で身体を抑えつけて包丁を突き立てる しかし、ぐねぐねと暴れるのでなかなか刃を立てることができない 「危ないから動かないで! 動くと余計痛いよ!」 「むじゃいうなああああああああ! までぃざばまだじにだぐないいいいいいいい!」 「お、おねーさん! うごけないようにあんよをやいたらどうかしら・・・」 「あんよを焼いちゃうの?! ちょっとそれは・・・」 「でもこのままじゃおねーさんがけがをしてしまうわ・・・ むきゅん! たぶんだいじょうぶよ! どうせすぐしんじゃうし!」 「そっかー・・・ ごめんね、ちょっとだけ我慢してね!」 「ふざけるなあああああああああああああああああああああ!」 フライパンを強火で一気に過熱する 数分間加熱されたフライパンは油を敷いていないのに白い煙が立ち上り焦げくさい臭いがする あんよがこびりつかないようにサラダ油をたっぷりと注ぐ 「やべろおおおおおおお! はなぜええええええええええ!」 「ごめんね・・・ 悪いのは全部私だから・・・ ごめんね!」 持ち上げるとおしりを左右にに振って暴れるまりさ 両手で掴んで無理やりフライパンの上へと押し付ける 「ゆっ・・・・・ゆぎぃっ! ゆびょお! ゆんやああああああああああああああああああ! いぢゃいよおおおおおお! いぢゃいいいいいいいいい! ぐるじいいいいいいいいいいいい! あぢゅいいいいいいいいいい! までぃざのあんよざんがあぢゅいよおおおおおおおおおおお!」 普段の憎たらしい顔からは想像できないような苦痛にゆがんだ表情で泣きわめくまりさ 油に浸かったまりさのあんよから水分が奪われてゆき、小さい粒が弾けるような小気味よい音を立てる 身体をのーびのびさせて抵抗するものの、しっかりと抑えつけられているため逃れることはできない 「だぢゅげぢぇえええええええ! おでえええええええざあああああああああん! までぃじゃいいごにじゅりゅがらゆるじでぐだぢゃいいいいいいいいいいい! ぼんどうじあぢゅぐでぐるじいんでずうううううう! だずげでぐだぢゃいいいいいいい!」 「ごめんね! ごめんねったら!あばれないでよ! ねぇぱちゅりー!? 全然動くんだけど!?どうなってるの?」 「わわわわわからないわ! たぶんやいてるのがあんよだけだからよ!」 「えええ!? じゃあ他の部分も焼けばいいの!? もっと焼けば動かなくなるの!?」 「ゆぎいいいいい! あぢゅいいいよおおおおお『プッシャアアアア!』おおおおおおお!!!」 「いやああああ! 危ないいいいいいいいいいい!」 まりさが失禁してしまったために油が盛大に跳ねる おねーさんは軽くパニックになってしまい、まりさの後頭部を抑えるとそのまま顔面をフライパンに押し付けた 「ぎょぼおおおおおおおおおおおおおお! おぼおぼおぼげえええええええええええ! ゆびゅうううううう! ゆびぎゃああ! あぢゅい! あぢゅ! ゆべげえええええええええええ!」 「いやあああああああ! どうなってるのよおおおおおおおお! ぱちゅりー助けて!」 「むぎゃあああああああ! ぱちぇにいわれてもむりよおおおおおおおお!」 既に油のほとんどが蒸発しており、辺りには焦げくさい臭いが充満する 落ち着きを取り戻したおねーさんはフライパンからまりさを引き離そうとするがなかなか離れない やっとの思いで引き離すとべりべりと顔面の皮がはがれおち油をたっぷりとすった中身が露わになる 両目は熱で膨張したのか破裂していて、唇も剥がれて歯茎が露出している 「ごめんなさい・・・ こんなに苦しませる筈じゃなかったのに・・・」 「ゆげ・・・げ・・・ゆげげ・・・」 「までぃざあああああああああ! ゆっくりよぐなっでね!? ぺーろぺろ!」 もはや原形をとどめていないそれに、れいむは傷口をふさごうとぺーろぺろをしようとする しかし、透明なケースに阻まれて見えない壁を必死にぺーろぺろするというおかしな行動になってしまう 「ゆぎぃ! ゆぎぎぎぃ! ゆげげげえ!」 「ごめんね・・・ 今楽にしてあげるからね!」 おねーさんはまりさを持ち上げるとその身体にかぶりついた 「もごもご・・・おげぇ! むぐううううう! もごもごおおおおおお!」 「お、おねーさんだいじょうぶ・・・?」 「ゆぎっぴろげぴゃあああああああああああああああ!!!」 「やべろおおおおおおおおおお! でいぶのまでぃざぼむーじゃむじゃずるなああああああああ!」 油をたっぷりと含んでいるため食べ心地は最悪 おまけにさんざん苦しませたので甘みが増しており、胃を鷲掴みにされたような衝撃が襲う まりさの上げる奇声は次第に静かになってゆき、しばらくするとうめき声にか聞こえなくなる 「うげええええ・・・ だめだ・・・気持ち悪い・・・」 「むりはきんっもつ!よ! のこりはあした食べましょう!」 「だめだよ・・・ そんなことしたら余計長く苦しんじゃうから、今ここで全部食べるよ・・・もぐもぐ!」 「だべるなああああああああ! でいぶのまでぃざぼだべるなああああああああ!」 あんよから食らいついて半分ほど食べきったところでまりさの中枢餡まで到達する 中枢餡は一定の間隔で鼓動しており、その様子は心臓のそれを思わせた 「ううう・・・これ食べなくっちゃいけないんだよね・・・」 おねーさんは肉で言うホルモン系の部分が大の苦手で、内臓の類は一切手をつけないタイプだった そんな彼女からしたら、餡子とはいえゆっくりの生き胆を生で食らうのにはハードルが高すぎる 「でも・・・責任はとるよ! いただきます!」 「ごべあがあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 意を決して中枢餡にかぶりつく 口の中に外側の餡子とは違うねっとりと絡みつくような甘さが口に広がる まりさは尋常ではない断末魔をあげてようやく絶命することができた 「もごごご! もげおげえええ! もごもご・・・ごっくん!」 「おねーさん! よくやったわ!」 十分ほどかけてまりさを完食したおねーさん 後には皮と髪の毛とお飾りのお帽子だけが残された 22 「までぃああああああああああ! どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおお!?」 「おどうじゃああああああああん! おどうじゃんがしんじゃっだのじぇえええええええ!」 「「「「ゆんやああああああああああああ!」」」」 家族の大黒柱を失って悲しみにくれる一家 その中から一匹の赤まりさを取り出してまな板の上に乗せる 「ゆぴいいいいいいい! はなしちぇえええええええ!」 「だいじょうぶだよ・・・ すぐに楽にしてあげるからね・・・」 おねーさんはすりこぎを取り出すと、赤まりさに向かって振りおろした 狙いがわずかにそれてしまい身体の半分だけを潰してだけで絶命させることができなかった 「ゆぎょぎょぎょごおおおおおおお! いぢゃいぢょおおおおおおおおお!? おべべがびびゃびいいいいいいいい! おがあぢゃああああああああああ!」 「あ、え、どうしよう! どうすればいいのぱちゅりー!?」 「はやくのこりもつぶしてらくにしてあげなさい! そうしないといつまでもくるしんでしまうわ!」 「わ、わかった! ごめんね! ごめんね! ごめんねええええええええええ!」 何度も何度もすりこぎを叩きつけ、まな板の上にはぐずぐずになった餡子とお飾りの残骸が残された 「でいぶの! でいびのがわいいおじびじゃ! おじびじゃばばばばばばばば! ゆひひっ!」 「ゆわわわわ・・・ おきゃあしゃんがおかしきゅなっちぇるのじぇ・・・」 「「「ゆんやあああああああああああああ!」」」 ケースの中では目の前でおちびちゃんを殺されたれいむが軽く発狂しかけており 残りのおちびちゃんは恐怖におびえてひたすら泣き続けている 唯一、癇癪まりさだけが正気を保っていた 「どうしよおおおお! これじゃあ余計にくるしませちゃうよおおおおお!」 「むきゅん! しかたないわ! いっそのことふらいぱんでやいてしまいましょう!」 「で、でもぉ・・・・それじゃあさっきみたいに・・・」 「たっぷりとあぶらをしけばもんだいないわ! きっとくるしまないでそくしするはずよ!」 言われたとおり、油をたっぷりと流し込んで強火で加熱する ぎらぎらと煮えたぎった油はさながら地獄の釜と言ったところだろうか その中へ一匹ずつ菜箸で挟んで投入していく 「やめちぇえええええええええ! ゆっぐぢでぎにゃい! ゆっぐじゆっぐじいいいいい!」 ボチャン! 「ゆびぃ!? ・・・ぴぎゃあああああああああああああ! ぎゃあああああああああ! あぢゅいいいいいいいい! あんびょぎゃかりゃぢゃがおべべがいぢゃいいいいいい!」 「やめちぇえええええ! れいみゅまだじぇんじぇんゆっぐぢじでにゃい! ゆっぐぢじじゃいいいいい!」 ボチョン! 「ゆぎょおおおおおおおおお! おぎゃあじゃ! おどうじゃ! だじゅげじぇええええ! いぢゃ! あぢゅ! あぢゅいいいい! おぎゃあじゃ! いぢゃあああああああ!」 「おねーしゃん・・・ おにぇがいぢゃよ・・・ れいみゅいいこにすりゅかりゃ・・・ こりょさにゃでにぇ・・・?」 ボベチョ! 「ああああああああああああああああああ! ああああああああああああああああああああ! あじゅううううう! ひぢゃいひぢゃいい! ごばごばばあああああああああ!」 「でいぶのがわいいおじびじゃんがああああああああああああああああああああ! おでええええざあああああああん! でいぶがわるがっだがら! あやばりまずがら! おじびじゃんぼだずげであげでぐばばびいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 加熱しすぎてしまった為赤ゆ達は余計に苦しむ羽目になってしまう 油の中で苦しそうにうねうねと蠢くおちびちゃん達 灼熱地獄から逃れようとして身体を動かすものの壁際までたどり着くことはできない ぱちゅりーは油に入れれば直ぐに即死すると言っていたが、そんなことは無かった まりさ同様死ぬまでに時間がかかり長く苦しむことだろう 「ぱちゅりいいいいいいいいいいいい!? 皆苦しんでるけど大丈夫なの?」 「そんなはずは・・・ むぎゃん!わからないわ!」 「でいぶのおじびじゃん! ゆんやああああああああああああ!」 口や目から油が侵入して呼吸することすらままならない 髪の毛やお飾りは熱で変形して原形をとどめておらず、外皮はこんがりときつね色に変わり始めている 高温で揚げてしまった為に中枢餡まで熱が通らず、いまだに死ぬことができない 「ひぎゃい! ひぎゃ! おぎゃじゃ! ひぎゃああああああ! ひっぎいい! ひぎゃい! あ、んぎょ!うぎょははひ! あんひぎょみげひゃぎいいい!」 「おへーはん! ひはひほおおお! ひはあっははあひひいいいいいいいい! おへはいははははふへええふははひいいいい! おへえはああああああん!」 「ゆぎょ! ゆゆがああああ! おぎゃあざあああああああああ! おぎゃざ! ゆがあああああ! ゆぎょお!ゆぎょ! おぎゃあざあああああああああ!」 舌に熱が通って呂律が回らないのかまともに喋れていない 菜箸で一匹ずつ取り上げて皿の上に置く こんがりとした揚げ饅頭が三つで仲良く並んだ ついでに先ほど潰したおちびちゃんの残骸をのせて一応料理らしくはなった 「むきゅぅ・・・ それはぱちぇがたべるわ・・・」 「いいの? おねがいするよ・・・私さっきのでお腹の調子がおかしくなってて・・・」 その提案を快諾するおねーさん すでに胃袋にはまりさがパンパンにつまっているのだ これほどありがたい申し出はないだろう 「むぎゅううううう・・・ おちびちゃんたちごめんね! はーみゅはみゅ!」 「ゆぎぃ・・・ いじゃい・・・ いじゃ『もぐちゅ!』・・・もっじょ・・・ゆっぐじ・・・」 あつあつのそれを口に含んで一気に噛み砕くぱちゅりー なかから程良く温まった体液が噴出し口の中に広がってゆく それは今で食べてきたどんなものよりも甘く、甘美なものだった 「はやぎゅ・・・でいびゅも・・・ごろじで・・・」 「まりじゃも・・・まりじゃもごろじじぇ・・・」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおお!? しんじゃっだらゆっぐぢでぎないでしょおおおおおおおおおお! おじぢじゃんだじゆっぐぢだよ!? ゆっぐぢぢでいっでね!! ゆっぐぢゆっぐぢいいいいいいいいいいいいいい! どぼじででいぶのおじびじゃんがごんなべにいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! ゆひひひひひひひひ!」 残りの赤ゆっくりも早く自分を食い殺すように懇願する れいむは我が子の死を受け入れられずに半狂乱になって叫び続ける 「ゆげええええええ・・・ なんでこんなにおいしいのにゆっくりできないのかしら・・・」 「「はやぎゅううう・・・ はやぎゅごろしちぇえええ・・・・」」 「わ、わかったわ! いまふたりともらくにしてあげるから!」 残りの二匹を同時に口に含んで同時に噛み砕く さっきの二倍の量の体液が溢れて口からタラタラと漏れる 何とか飲み込もうとするが、お飾りが仕えてなかなか飲み込むことができない 「もご!もごごごご!もごご! ごっくん・・・むぎゅ!エレエレエレエレ・・・」 「ちょ!ぱちゅりー大丈夫!?」 飲み込むと同時に内容物を吐き出してしまうぱちゅりー 白と黒が混ざりあったゲル状の液体を吐きだすと小刻みに痙攣し始めた 「大丈夫!?大丈夫ったら!? ねえ!?しっかりしてよぉ!」 半泣きになりながらぱちゅりーにオレンジジュースをぶっかけるおねーさん 意識は取り戻したもののぐったりとしているぱちゅりー 満身創痍の二人だが、まだれいむと癇癪まりさが残されているためリングアウトは許されない 23 「ごめんね! れいむちゃんはゆっくり逝かせてあげるからね・・・」 「おねーさん! 気をつけてね!」 「やべろおおおおおおおおおお! でいぶをごろずなああああああああああああ!」 れいむをシンクの中へと放り込み、高く掲げた包丁を振りおろして一気に絶命させようとするおねーさん 小細工をしても余計苦しませるだけだと悟ったので、多少は危険を覚悟しつつ絶命させやすい方法をとったのだ 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおお!? どぼじでまでぃざどがわいいおじびじゃんをごろじじゃっだのおおおおおお!!? おじびじゃんをづぐらぜだのはおねーざんでしょおおおおおおおおおおおおお!!」 「うぅ・・・ それは・・・」 「でいぶだぢだっていきでるんだよ! かけがえのないたったひとつのいのちなんだよ! ぞれなのに!どぼじでごんなひどいごどでぎるの!? おがじいよ!!まじがっでるよ!! おでーざんだって、がわいいがらおじびじゃんをづぐらぜだんでしょ!? かわいいおじびじゃんどゆっぐぢぢだがっだがら ごはんをむーじゃむじゃざせでぐれだんでじょ!? みんなみんなでいぶのだいぜづながぞぐだったんだよ! いのちだっだんだよ!!! ぞれをおなががずいだらむーじゃむじゃするなんでまちがっでるよおおおおおおおおお!!」 自らの死を悟ったれいむはおねーさんに向かって反論し始めた 命乞いをするよりも、理不尽に奪われてしまった家族の命の重さというものを訴えたかったのだろう れいむの反論はまだ続く 「でいぶだっでいっばいがまんじでぎだんだよ!? おぞどにでだがっだげどがまんじだよ!! くささんのうえでおじびじゃんどいっじょに おひるねしたりおうだをうだっだりじだがっだよ!! でぼ、おでーざんがゆるじでぐれながっだがら がんばっでがまんしたでしょおおおおおおお!? おじびじゃんどもっどあぞびだがっだのに べんぎょうずるっでいっであぞばぜでぐれながっだよねぇ!? でいぶにはやりだいごどがだぐっざん!あっだよ! もっどもっどゆっぐぢぢだがっだよ! でぼまでぃざもおじびじゃんぼおでーざんがむーじゃむじゃしじゃっだよ! もうなんじぼでぎないよおおおおおおお! ゆっぐぢでぎないよおおおおおおおおおお!」 そう、れいむは今まで沢山我慢してきたのだ お外にでてまりさと一緒に楽しく遊ぶおちびちゃん達を見ていたかった 草さんの上で一家そろってお昼寝したり、のーびのびしてみたかった かけっこをして元気いっぱいに遊ぶまりさのおちびちゃんが見たかった 楽しそうにお踊りを踊りながら歌うれいむのおちびちゃんの歌が聞きたかった それらは全て叶わずに、目の前に突き付けられたれたのは刃のように冷徹で残酷な現実だった 「おでーざんばでいぶのゆんぜいをだいっなし!にじだぜぎっにん!をどっでね! しゃざいどばいしょうをせいぎゅうずるよ!!! あまあまだぐざんどころじゃゆるざないがらね!? ぜぎにんどっでぎむをはだぜえええええええええええええええ!!!」 「・・・さいよ」 「ゆうううううううううう!? ぎごえないよ!? もっどはっぎりしゃべっでね!! あやまるんだったらどげざしでね!! おでこざんをゆがにこすり『うるさいよ!!!』ゆううううう!?」 「さっきから聞いてたらなんなの!! そんなこといってたら商売になんないでしょ!!」 「ゆぎいいいいいいいいい!? ぎゃくぎれするなあああああああああああ!!」 「こっちは商売でやってるんだよ!! あんたをゆっくりさせるためのボランティアじゃないんだよ!! 命? かけがえのない!? 大切な命!? なにそれ?おいしいの? 人間はあんたらゆっくりだけじゃなくて全ての生き物の命をもてあそぶようなゲスなんだよおオオお! 犬や猫なんて可愛がってても簡単に捨てて毒殺するし! 牛や豚なんて食う為に無理やり太らせてバラバラにしちゃう! 人間のじゃまなら徹底的に絶滅するまでいぢめる、殺す! 遺伝子だって都合よく組み替えるようなゲスだよおオオおお! ゆっくりだって例外じゃないんだよ! 人間の言うこと聞かない悪い子は加工所で潰しちゃうんだよ!」 「ゆがあああああああ!!! でいぶはわるいごじゃないいいいいいいい!!! じゃんどにんげんさんのいっでだごどはまもっでだよおおおおおおおおおおお!!! でぼ、おぞどでゆっぐぢする“るーるさん”じがおぞわっでないのに おうちにとじこめたのはおまえだああああああああああああああああああああ!!!」 「そんなのしらないよ!? 私が買ったんだから私の言うこと聞くでしょ普通!」 「なにぞれええええええええええええ!? ぞんだのむじゃぐじゃだよおおおおおおおおおおおお!!」 ついに開き直ったおねーさん れいむは反論の余地を失いぱちゅりーに助けを求めた 「ばぢゅりいいいいいいいい!!! だずげでよ! おなじゆっぐぢでじょおおおおお!? かけがえのないいのちをまもっでよおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「むきゅん・・・ あなたが“かけがえのないいのち”なんていってもうすっぺらくきこえるだけよ ゆっくりあきれめて、おいきなさい」 「ゆぎゃあああああああああ!!! おじびじゃ! でいぶをだずげろゆっぐぢざぜろおおお!」 「ゆひいいいい! むりなのじぇ! まりしゃはひちょりでゆっくちしゅりゅかりゃ、おきゃあしゃんなんちぇしらにゃいよ!」 「ゆがああああああああああ!!! ふざけるなあああああああああああ!」 最愛のおちびちゃんにも見捨てられ怒りが沸点に達したれいむ こめかみのあたりからは餡子が噴出しており、穏やかではない 「こうなったのも全部私のせいだから! ごめんね!れいむちゃん!」 「ゆがああああああああああああああ! やべろおおおおおおおおおおおおおおおお!」 れいむに向かって真っすぐに包丁を振り下ろす 眉間の辺りに突き刺さり、そのままあんよへと貫通した しかし中枢餡は無事だったのか、れいむは包丁に貫かれたまま生きていた 「ゆぎょおおおおおおおお?! なにごで!?どぼなっでるのおおおおおおおお!? いぢゃい!いぢゃい!いぢゃいいいい! でいぶのおがおが! でいぶのおおおおおお!!! ごおごおおおおおお! でいぶのおがおおおおお! でいぶのでいぶのおおおおおおおお!?」 「ひいいいいいいいい! ぱちゅりー!? これどうすればいいの!? 助けてよ!!!」 「むきゅううううううううう!? そんなのしらないわ! おねーさんがなんとかしてちょうだい!!」 「ゆんやああああああああ!!! おぎゃあじゃああああああああああああ!!!」 完全にパニックったおねーさん れいむのあんよにかぶりつく 「えーい!ままよ!がぶり! むじゃああああむじゃあああ! もぎゅもぎゅううううううう!」 「ゆぎいいいいいいいいい!? ゆぐぢいいいいいいいいいいいいいい!!」 「むぎゃあああああ!?おねーざん!? おじづいでね!? あぶないわよ!?」 頭に血が上ったおねーさん 暴れるれいむを食い続ける 「ガツガツ!むしゃむしゃ! ・・・うっ おげええええええええええええええええええ!!!」 「お、おでええええええええざああああああああああ・・・うっっぷ!エレエレエレエレ!」 胃が限界に達したのかついに中身を吐き出してしまった それをみてもらいゲロをするぱちゅりー ピンポーン! タイミング悪く来客を知らせるベルが鳴る 正常な判断ができないおねーさん 包丁片手にドアを開ける 「ちょっと!!! さっきから五月蠅いんですけど、いいかげんに・・・・ってなにそれ」 「ごめんなさい・・・ ごめんなさいいいいいいいいいいいいい!!!」 「でいぶを!! でいぶをだずげでぐだざいいいい!! おでがいじば・・・ゆげえええええええ! ゆごごごごげべっげべっげべええええええええええ!! ・・・・・ガクッ」 「エレエレエレエレ・・・ おでーざんぼゆどぅじであげべぐばばび・・・」 抗議に来たお隣に住んでいる女性の住人はおねーさんの姿をみて絶句した 洋服はこげ茶色の嘔吐物でぐちゃぐちゃに汚れ、血走った眼で包丁を掲げるおねーさん 包丁に突き刺さったまま助けを求めてながらタイミング良く絶命したゆっくりれいむ 脇に抱えたられたゆっくりぱちゅりーは白く泡立った中身を吐きだしている 「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 苦情を言いに来た女性は何も言わないで帰って行ってしまった おねーさんはボー然と立ちつくしてその場で失禁した 24 「・・・こんなふうにガラスさんを割ったりしたら破片であんよが切れちゃうんだよー! みんなわかったかなー?」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」 「それじゃあみんな! ぱちぇといっしょにふっくっしょう!しましょう!」 「「「「「はーい!」」」」」 一週間後、そこには元気に赤ゆっくりに授業をするおねーさんとぱちゅりーの姿が! なんとかあの後正気を取り戻したおねーさんはぱちゅりーを介抱して一命を取り留めることに成功した そもそもどうしてあんな酷いことをしてしまったのか、自分でもよくわからない 最初からぱちゅりーの言うとおりラムネを使っておけばよかったと思うが既に過ぎたことだ 後悔してもおそい 「それじゃあいいこにべんきょうしたこにはごほうびのあまあまをあげましょう!」 「「「「「あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」」」」」 「みんなひとりふたつづつだからねー! なかよくわけてねー!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」 現在、おねーさんの部屋にはれいむ種、まりさ種の他に ありす種ぱちゅりー種みょん種などの他の種族などもおり計五匹がおねーさんとぱちゅりーの授業を受けている 種類がバラバラなのは、同じ種族より違う種族を一緒に育てた方が教育しやすいとネットで知ったからだ 完全に和解した二人はそれぞれの持ち味を生かして、解りやすく覚えやすい授業を行っている 努力の甲斐あってか順調に教育は進んでいるようだ このままいけば金は無理でも銀バッチならとれるかもしれない 「ゆがああああああああああ! そのあばあばはまりざのなのぜ! ごっじによごぜええええええ!」 あまあまを貰う為にぱちゅりーの前に並んでいた赤ゆっくりの列に、一匹の子まりさが割り込んできた 例の問題児、癇癪まりさである 「よごぜええええええ! ばでぃざにあばあばをよごぜえええええ! ぜんぶだああああああ!」 「みんな! みてちょーだい! こんなふうにじぶんだけゆっくりしようとするゆっくりはゆっくりできるかしら?」 「ゆっくちできないよ! おなじまりしゃとしちぇはぢゅかしーよ!」 「れいみゅもこんなまりしゃとなんかいっしょにゆっくちしちゃくないよ!」 「きょれはひぢょい・・・なんちぇいにゃかもにょなにょかしりゃ!」 「むきゅぅ・・・ これがげしゅなのにぇ・・・」 「はぢをしるちょいいみょん!」 「そうだね! 自分勝手なわがままな子はお仕置きだね!」 おねーさんは癇癪まりさを持ち上げると、透明の平たい物を取り出した いびつに角ばった先端が鋭く光る 「これはさっきお話ししたガラスさんが割れたものです。 これであんよをひっかくと・・・」 「ゆぎぃ!? までぃぢゃのしゅんしょくのあんよしゃんがああああああああ!」 「あんよが傷ついてなかの餡子が漏れちゃいまーす!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」」 癇癪まりさは赤ゆっくりの教育道具として一役飼っていた 授業を妨害したりあまあまを奪おうと襲い掛かってくるがその度に返り討ちにあう ある時はライターで髪の毛を燃やされ、ある時は辞書を頭におとされて・・・ と、襲い掛かる度に授業の実験材料にされてしまうのだ 本ゆんは本気で妨害しているつもりだが、むしろ赤ゆの教育に役立っているので感謝したいくらいだ 「はーい! あまあまを食べたらおひるねしてゆっくりしようねー!」 「「「「「ゆわーい!」」」」」 「ゆがああああああ! いぢゃいいいいいい!」 喚く癇癪まりさは放っておいてお昼寝の準備をする 致命傷ではないので後で治療すればまた元気にゲスいセリフを吐くだろう これからも長い間、教材として頑張ってもらわなければならないのだからこれくらいで死なれては困る おねーさんはゆっくりの扱いにだいぶ慣れてきたようだ 「ねぇ、ぱちゅりー?」 「むきゅん? なにかしらおねーさん」 赤ゆっくりを寝かして、癇癪まりさを治療し終えたおねーさんは小さい声でぱちゅりーに呼びかけた 「これから行きたいところがあるんだけど一緒について来てもらえる?」 25 「次の方、どうぞ」 「・・・お兄ちゃん?」 やって来たのはゆっくりクリニック おねーさんはぱちゅりーの健康診断という名目で兄に会いに来たのだ 「全く・・・私用で顔を出すのはやめろって言っただろ」 「今日はぱちゅりーの健康診断ってことで来てるからいいでしょ でね、お兄ちゃん・・・ついでにお礼を言いに来たんだけど」 「悪いが今は勤務中だ。 プライベートなことは後にしてくれ」 「はぁ・・・相変わらず融通利かないんだね・・・まぁ、いいや ぱちゅりーのことありがとね。 おかげでうまくやれそうだよ」 「そうか・・・ とりあえずその書類に目を通しておいてくれ 俺は内容物の採取の準備をしてくるから、その間にこれをなめさせておいてくれ」 「これは?」 「ラムネだ。 ゆっくりに舐めさせると『眠気を催してぐっすりと眠ってしまいます』・・・・」 「でしょ? お兄ちゃん」 「・・・・知ってたのか。 書類読んでおけよ」 兄はそう言って奥へと行ってしまった 「むきゅう・・・もうちょっとすなおにおはなしすればいいのにね」 「しかたないよ・・・昔っからああだもん」 「むきゅぅ? そうなの?」 「人前だとあんな風に他人みたいな話し方しかしてくれなかったんだ・・・ あの態度が好きになれなくて、気まずかったからあんまり近くに寄らないようにしてたんだよ ホントはもっと仲良くしたかったんだけどね」 人前では他人行儀な態度をとる兄 そのくせ、家で二人っきりの時はふざけた態度で接してくる それは交通事故で両親が死んで家族が二人っきりになっても変わらなかった そんな兄と関わるのが嫌になって自然と距離を置いて行くようになった 思えばこのことを誰かに話したのは初めてかもしれない 兄のことを誰かに相談するのは気が引けた したとしても悪口ばっかり言って素直に思っていたことは話せなかっただろう もしかしたらゆっくりのぱちゅりーだからこそ正直に話せたのかもしれない 「おにーさんはおねーさんにきらわれるのがこわかったのよ、きっと」 「え? 嫌われたくなかったら普通はもっと仲良くしてくれてもいいんじゃないの?」 「むきゅん! すかれたいひとにはなかなかすなおになれないものよ! とくに、ほかのひとのまえではね」 「え? よく解らないんだけどどういうことなの?」 「せけんていというやつもあったんじゃない? おねーさんとちがってえりーとさんみたいだし」 「ねぇ・・・それってどういう意味なのかな?」 「むきゃ! ぱちぇはおもったことをいったまでよ!」 「・・・・・・読み終わったか?」 兄が戻って来た ずれたメガネを左手の中指と人差し指で直している 「あ・・・ごめんなさい。 まだです」 「なら早くしろ。 気になることがあれば書いておけ こいつには向こうでラムネを舐めさせておく」 「うん、わかった・・・お兄ちゃん?」 「・・・・・」 「ホントにありがとね」 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・一つだけアドバイスだ」 「・・・何?」 「命は大切にな」 兄はそう言うとぱちゅりーを抱えて行ってしまった 「むきゅん・・・やっぱりすなおじゃないのね」 ぱちゅりーがぼそりと呟いた 終 あとがき ここまで読んでいただいてありがとうございます 本当なら前後篇で二分するはずだったんですが 気付いたら三分割になってしまいました・・・すみません 今回はブリーダーものということで 人間による身勝手な命の価値基準というのがテーマでした 当初はオチをゆっくり一家の自滅にしようとしたんですけど 書いているうちに・・・どうしてこうなった というわけでここまでお付き合いいただきありがとうございます 次回からはなるべく短めにまとめて行こうと思っています では 書いたもの anko2410 さくのなかとそと anko2428 はんせいしてますごめんなさい anko2441 ありすはありす anko2469 にくたいげんご
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『いのちはたいせつ 後篇』 33KB 虐待 日常模様 引越し 家出 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 子ゆ ゲス ペットショップ 現代 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー 最後です 後編です。 先に前編と中編をお読みになってください 19 ぱちゅりーは人間を引きとめようと必死に追いかけたが、ゆっくりの足では到底追いつけるはずもなく あっさりとおちびちゃん達の待つお家は見つかってしまう 「しましまシートの綺麗なお家・・・ ああ、あれか」 「よくできてるなー! 他のボロ屑とは大違いで逆に浮いてるって言うw」 「おちびちゃあああああああん! にげてえええええええええええ!」 必死に叫んだものの、既にお家は完全に包囲されており逃げられる筈もない 人間がお家をひっくり返すと、なかからおちびちゃん達がぽろぽろとこぼれ落ちた 「「「「おしょらをとんじぇるみちゃいいいいいい!?」」」」 「おお!大量w で、こいつらどーすんのw」 「こいつを使う。 きっといい声で鳴いてくれるぜ」 リーダー格の人間はポケットから鍵を取り出した 形状からして何かの乗り物のカギのようだ 「ゆうううう! しぇんしぇーたしゅけちぇー! きょわいよー!」 「じゃ、ちびのだいじなだいじなところにフェードイーーーーーーーーーーーーン!」 「ゆぴ? ・・・・ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 「オラオラオラオラオラオラ!」 「ゆ・・・ゆげぇ・・・ もっじょ・・・ゆっぐじ・・・」 「あれ、もう死んじまった・・・つまんねぇ・・・」 赤まりさはあっけなく絶命した 脆く崩れやすい赤ゆっくりの身体は簡単に壊れてしまうのだ 「むぎゃあああああああ! おじびじゃああああああああん!」 「おいおい、こいつらお前の子供じゃないっしょ? なんでそんなに必死なのw」 「ぞのごだじばばじぇのがわいいおじえごなのおおおおおおおおお! おでがいでずがらごろざないでぐだざいいいいいいいいいいい!」 「へー・・・ 可愛いって割には抵抗しないんだな さっきの金髪どもは子供を取り返そうとして必死になってたのに」 「・・・・・・むぎゃ?」 「みろよ、あのありすとかいう饅頭は噛みついてまでして子供をとりかえそうとしたんだぞ」 そう言ってリーダー格は袖をまくった 腕にはうっすらとではあるが長ありすの番だったありすのものと思われる歯型が残っていた 「それに引き換え、やめろとは言うもののただ見てるだけのお前 やっぱり血の繋がってない他人ってことなんだな。 あ、血じゃなくて餡子か」 「そ、そんなこと・・・」 「おい! お前らのせんせーはお前らのこと別に助けたいとか思ってないってよ!」 「うぞぢゃああああああああああああああああ!」 「しぇんしぇーはれいみゅにょこちょみすてたりしにゃいいいいいいいいいい!」 「いいかげんにゃこちょいうちょまりしゃおこりゅよ! ぷきゅー!」 「ほらほら、皆お前のこと信じてるみたいだぞ? 助けてやれよ」 「む、むきゅう・・・ でも、ぱちぇがていこうしてもにんげんさんにはかなわないわ・・・」 「諦めんなよぉ! どうして諦めるんだそこで!」 「で、でもぉ・・・」 「かけがえのない命なんだろ? 大切な一つしかない命なんだろ? その命がゲス人間の手によって無慈悲に奪われようとしているのになにもしないのか?」 「ぱ、ぱちぇには・・・」 なまじ頭がいいため人間との力の差を理解して抵抗しようとしてもできないぱちゅりー リーダー格はつまらなそうにそんなぱちゅりーを見てため息をついた 「・・・はぁ。 もうなんかどうでもよくなってきた お前ら、大先生は抵抗しても無駄だからお前らのこと見捨てるってよ」 「まりしゃしぇんしぇのこちょしんじちぇちゃにょにいいいいいいいいいい!!」 「しぇんしぇええええええ?! れいみゅがきらいにゃにょおおおおおお!?」 「どぼじでだじゅげじぇぐれにゃいにょおおおおおおお!?」 「じがううううううううううううう! ばじぇはみんなだいずぎなのにいいいいいいいい!」 「だったらちっとは行動で示せばよかっただろ。 もうおせーよ」 そう言って手に持っていたおちびちゃん達を一匹ずつ地面へ落とす人間 高い位置から落とされたため地面にあんよが食い込む さながら、熟れた果物を床に落としたような光景だ 「ゆぁ・・・まりしゃの・・・ まりしゃのあんよしゃんがうごかにゃいいいいいいい!」 「ゆぴいいいいいいいい! いちゃいよおおおおお! うごけにゃいよおおおおお!」 「しぇんしぇええええええ! れいみゅをたしゅけちぇええええええええ!」 「ほらほら、金バッチなら助けるだろ? それともお前ゲスなの? だから助けないの?」 「ぱちぇはげすじゃないいいいいいいいいいいい!!」 「じゃあ助けろよw もうおせーけどなw」 「だなだな!」 「どぼじでだじゅげじぇぐれにゃ・・・ゆぎいいいいいいいいいいい! じぇんじぇえええええええええ! ぐるじいいいいいいいいいい! じぇんじぇ!ぱちゅりじぇんじぇ! ぐるじ!じぬ!じ『ぐちゃ!』・・・」 「みちぇないじぇはやくたしゅけちぇえええええええええええええええ! えええええごっごごおごおげえええええ! ごべべべおげべっべべ! でいびゅもう・・・・じゃ・・・め・・・ もっじょ・・・ゆ『べちょ!』・・・」 「しぇんしぇいのうしょちゅきいいいいいいいいいいいいいい!!! まもっちぇくれりゅっていっちゃよにぇ!? れいみゅを・・・ぴゅび!! ゆぴゅぅ! だじゅげ・・・じぇんじぇええええええ『げちょ!』・・・」 人間はぱちゅりーに断末魔を聴かせるたに一匹ずつゆっくりと体重をかけて潰した 助けを求められても動こうとしないぱちゅりーを睨みつけて絶命してゆくおちびちゃん達 「おじびじゃあああああああああああああああああああ!」 「もーいこうぜ。 なんか興ざめだわ」 「賢いっつっても無力なのには変わりはないんだなw だっせw」 「だなだな!」 「むぎゅううううううううううううう! ぱちぇがまもっであげるっでやぐぞぐじだのにいいいいいいいいいい! ごべんべええええええええええ! だめなぜんぜいでごべんべえええええええええええ!」 人間達は他の段ボールハウスを蹴ったりしていたが、しばらくすると何処かへ行ってしまった 残されたぱちゅりーは餡子の塊になったそれに泣きながら謝り続ける 「あれ~。 もしかして君バッチつきかなー?」 「ゆんやあああああああああああ! ゆんやああああああああああああ!」 悲しみに暮れたぱちゅりーは作業着の人間が話しかけてきたことにも気付かなかった 20 「ここだろ? ここでいいんだろ?」 「ずびばぜんんん! わざわざおぐっでいだだいでええええええ!」 「いや、かまわねーよ。 それよりさっきは言いすぎた、すまん」 「いいんでずうううううううう! ありがどうございばじだあああああ!」 おねーさんは金髪の説教を受けた後ゆっくりショップで閉店まで泣き続け、心配した店長の山田が車で自宅まで送ってくれた 車の中でも泣き続けたおねーさんは涙と鼻水と涎で服がぐしょぐしょに濡れてしまっている 「じゃあな、そんなに落ち込んでないで頑張れよ」 「はいいいいいいい! ずびばぜんでじだああああああ!」 「あのー・・・ もしかしてこの部屋の方ですか?」 「あん? おまえこんなところで何やってんだ?」 不意に作業着の男が話しかけてきた 山田はその男の顔を見て顔をしかめる 自分の店で働いている金髪の店員と顔が瓜二つなのだ 「えっと・・・ すみませんが何処かでお会いしたことありましたっけ?」 「いや、あんたとよく似てるやつと勘違いしたみたいだ・・・ 気にしないでくれ」 「はぁ。 それで、この部屋の住人の方は?」 「こっちの・・・ うわ!大丈夫か?」 「おええええええええ! だいじょうぶでずうううううう!」 おねーさんは屈みこんで胃の中の内容物を吐きだしていた ストレスに耐えきれず嘔吐してしまったようだ 「だ、大丈夫ですか!? もしかして飼っていたゆっくりが見つからなくて泣いているんですか? なら安心してください! 先ほど僕が保護しておきました!」 「うげえええええ! ・・・ほごおおおおおおおおお?」 「はい、こちらの金バッチのぱちゅりーで間違いないですか?」 作業着の男は透明なケースにをおねーさんに差し出した その中に入っているのは確かに数日前に家出したはずのぱちゅりーだった 防音性なのか声は聞こえないが、涙を流しながら何かを言おうとしている 「公園で保護したんですけど、そうとう弱ってるみたいで・・・ バッチに住所データが記録されていたので直接自宅まで伺わせていただいたんですよ」 「おでえざあああああああああああああああああん!」 ケースの蓋をあけるとぱちゅりーはおねーさんに飛びついた 何か恐いことでもあったのか小刻みに震えている おねーさんはそんなぱちゅりーをぎゅっと抱きしめた 「おでえざあああああああああん! ごべんなざいいいいいいいいいいい! ばじぇがまじがっでだわああああああああああああああああああああ!」 「わだじのぼうごぞごめんなざいいいいいいいいいいいいいいいいいい! ばぢゅりーのいうごどぼぎいでいでばごんなごどにわああああああああ!」 「ばじぇがんばっだげどおじびじゃんだじみんなごろざれじゃっだのおおおおおお!」 「わだじのぞだでだおじびじゃんぼげずになっじゃっだよおおおおおおおおおおお!」 「「ゆんやああああああああああああああああああああ!」」 「感動の再会ってやつですね! うう・・・なんだかこっちまで泣けてきた」 「・・・そうか? あまりぞっとしないけどな」 抱き合いながら涙を流す二人を見て 作業着の男はハンカチで涙を拭いて 山田はどうでもいいとでも言うかのように欠伸をした 21 「おねーさん? ほんきなの?」 「・・・本気だよ。 きちんと義務を果たして責任はとるよ」 「せきにんってなに!? ねぇ!? せきにんってなんなの!?」 「やべでええええええええ!!! ぜぎにんどらなくていいからゆっぐじざぜでええええええ!」 「やめるのじぇ! ゆっぐぢでぎないのじぇええええええ!」 「「「「ゆんやあああああああああああああああああ!」」」」 台所で包丁を手に真剣なまなざしで目の前の物を見据えるおねーさん 視線の先には親ゆっくりのまりさとれいむ そして透明なケースに入れられた癇癪まりさを含めた五匹のおちびちゃん達 ぱちゅりーは足元で心配そうに様子を窺っている 「お、おねーさん? せめてらむねさんでねむらせてから・・・」 「だめよ! そんなことしたら命を奪う実感が無くなっちゃう! 正面から向き合って命の大切さを思い知るためにもこのままいく! 大丈夫・・・この子たちの命は無駄にしない。 ちゃんと責任を持って全部食べるよ」 「おねーさん・・・ ぱちぇもきょうりょくするわ!」 完全にゲス化してしまった一家の処分を自らの手で行う決意をしたおねーさん かけがえのない命を無駄にしないために、その身を食らって処分しようというのだ ぱちゅりーはそんなおねーさんに感銘を受けて協力を申し出ている れいむが邪魔をしないように一旦ケースの中に入れて 親まりさを真っ二つに切断しようと左手で身体を抑えつけて包丁を突き立てる しかし、ぐねぐねと暴れるのでなかなか刃を立てることができない 「危ないから動かないで! 動くと余計痛いよ!」 「むじゃいうなああああああああ! までぃざばまだじにだぐないいいいいいいい!」 「お、おねーさん! うごけないようにあんよをやいたらどうかしら・・・」 「あんよを焼いちゃうの?! ちょっとそれは・・・」 「でもこのままじゃおねーさんがけがをしてしまうわ・・・ むきゅん! たぶんだいじょうぶよ! どうせすぐしんじゃうし!」 「そっかー・・・ ごめんね、ちょっとだけ我慢してね!」 「ふざけるなあああああああああああああああああああああ!」 フライパンを強火で一気に過熱する 数分間加熱されたフライパンは油を敷いていないのに白い煙が立ち上り焦げくさい臭いがする あんよがこびりつかないようにサラダ油をたっぷりと注ぐ 「やべろおおおおおおお! はなぜええええええええええ!」 「ごめんね・・・ 悪いのは全部私だから・・・ ごめんね!」 持ち上げるとおしりを左右にに振って暴れるまりさ 両手で掴んで無理やりフライパンの上へと押し付ける 「ゆっ・・・・・ゆぎぃっ! ゆびょお! ゆんやああああああああああああああああああ! いぢゃいよおおおおおお! いぢゃいいいいいいいいい! ぐるじいいいいいいいいいいいい! あぢゅいいいいいいいいいい! までぃざのあんよざんがあぢゅいよおおおおおおおおおおお!」 普段の憎たらしい顔からは想像できないような苦痛にゆがんだ表情で泣きわめくまりさ 油に浸かったまりさのあんよから水分が奪われてゆき、小さい粒が弾けるような小気味よい音を立てる 身体をのーびのびさせて抵抗するものの、しっかりと抑えつけられているため逃れることはできない 「だぢゅげぢぇえええええええ! おでえええええええざあああああああああん! までぃじゃいいごにじゅりゅがらゆるじでぐだぢゃいいいいいいいいいいい! ぼんどうじあぢゅぐでぐるじいんでずうううううう! だずげでぐだぢゃいいいいいいい!」 「ごめんね! ごめんねったら!あばれないでよ! ねぇぱちゅりー!? 全然動くんだけど!?どうなってるの?」 「わわわわわからないわ! たぶんやいてるのがあんよだけだからよ!」 「えええ!? じゃあ他の部分も焼けばいいの!? もっと焼けば動かなくなるの!?」 「ゆぎいいいいい! あぢゅいいいよおおおおお『プッシャアアアア!』おおおおおおお!!!」 「いやああああ! 危ないいいいいいいいいいい!」 まりさが失禁してしまったために油が盛大に跳ねる おねーさんは軽くパニックになってしまい、まりさの後頭部を抑えるとそのまま顔面をフライパンに押し付けた 「ぎょぼおおおおおおおおおおおおおお! おぼおぼおぼげえええええええええええ! ゆびゅうううううう! ゆびぎゃああ! あぢゅい! あぢゅ! ゆべげえええええええええええ!」 「いやあああああああ! どうなってるのよおおおおおおおお! ぱちゅりー助けて!」 「むぎゃあああああああ! ぱちぇにいわれてもむりよおおおおおおおお!」 既に油のほとんどが蒸発しており、辺りには焦げくさい臭いが充満する 落ち着きを取り戻したおねーさんはフライパンからまりさを引き離そうとするがなかなか離れない やっとの思いで引き離すとべりべりと顔面の皮がはがれおち油をたっぷりとすった中身が露わになる 両目は熱で膨張したのか破裂していて、唇も剥がれて歯茎が露出している 「ごめんなさい・・・ こんなに苦しませる筈じゃなかったのに・・・」 「ゆげ・・・げ・・・ゆげげ・・・」 「までぃざあああああああああ! ゆっくりよぐなっでね!? ぺーろぺろ!」 もはや原形をとどめていないそれに、れいむは傷口をふさごうとぺーろぺろをしようとする しかし、透明なケースに阻まれて見えない壁を必死にぺーろぺろするというおかしな行動になってしまう 「ゆぎぃ! ゆぎぎぎぃ! ゆげげげえ!」 「ごめんね・・・ 今楽にしてあげるからね!」 おねーさんはまりさを持ち上げるとその身体にかぶりついた 「もごもご・・・おげぇ! むぐううううう! もごもごおおおおおお!」 「お、おねーさんだいじょうぶ・・・?」 「ゆぎっぴろげぴゃあああああああああああああああ!!!」 「やべろおおおおおおおおおお! でいぶのまでぃざぼむーじゃむじゃずるなああああああああ!」 油をたっぷりと含んでいるため食べ心地は最悪 おまけにさんざん苦しませたので甘みが増しており、胃を鷲掴みにされたような衝撃が襲う まりさの上げる奇声は次第に静かになってゆき、しばらくするとうめき声にか聞こえなくなる 「うげええええ・・・ だめだ・・・気持ち悪い・・・」 「むりはきんっもつ!よ! のこりはあした食べましょう!」 「だめだよ・・・ そんなことしたら余計長く苦しんじゃうから、今ここで全部食べるよ・・・もぐもぐ!」 「だべるなああああああああ! でいぶのまでぃざぼだべるなああああああああ!」 あんよから食らいついて半分ほど食べきったところでまりさの中枢餡まで到達する 中枢餡は一定の間隔で鼓動しており、その様子は心臓のそれを思わせた 「ううう・・・これ食べなくっちゃいけないんだよね・・・」 おねーさんは肉で言うホルモン系の部分が大の苦手で、内臓の類は一切手をつけないタイプだった そんな彼女からしたら、餡子とはいえゆっくりの生き胆を生で食らうのにはハードルが高すぎる 「でも・・・責任はとるよ! いただきます!」 「ごべあがあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 意を決して中枢餡にかぶりつく 口の中に外側の餡子とは違うねっとりと絡みつくような甘さが口に広がる まりさは尋常ではない断末魔をあげてようやく絶命することができた 「もごごご! もげおげえええ! もごもご・・・ごっくん!」 「おねーさん! よくやったわ!」 十分ほどかけてまりさを完食したおねーさん 後には皮と髪の毛とお飾りのお帽子だけが残された 22 「までぃああああああああああ! どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおお!?」 「おどうじゃああああああああん! おどうじゃんがしんじゃっだのじぇえええええええ!」 「「「「ゆんやああああああああああああ!」」」」 家族の大黒柱を失って悲しみにくれる一家 その中から一匹の赤まりさを取り出してまな板の上に乗せる 「ゆぴいいいいいいい! はなしちぇえええええええ!」 「だいじょうぶだよ・・・ すぐに楽にしてあげるからね・・・」 おねーさんはすりこぎを取り出すと、赤まりさに向かって振りおろした 狙いがわずかにそれてしまい身体の半分だけを潰してだけで絶命させることができなかった 「ゆぎょぎょぎょごおおおおおおお! いぢゃいぢょおおおおおおおおお!? おべべがびびゃびいいいいいいいい! おがあぢゃああああああああああ!」 「あ、え、どうしよう! どうすればいいのぱちゅりー!?」 「はやくのこりもつぶしてらくにしてあげなさい! そうしないといつまでもくるしんでしまうわ!」 「わ、わかった! ごめんね! ごめんね! ごめんねええええええええええ!」 何度も何度もすりこぎを叩きつけ、まな板の上にはぐずぐずになった餡子とお飾りの残骸が残された 「でいぶの! でいびのがわいいおじびじゃ! おじびじゃばばばばばばばば! ゆひひっ!」 「ゆわわわわ・・・ おきゃあしゃんがおかしきゅなっちぇるのじぇ・・・」 「「「ゆんやあああああああああああああ!」」」 ケースの中では目の前でおちびちゃんを殺されたれいむが軽く発狂しかけており 残りのおちびちゃんは恐怖におびえてひたすら泣き続けている 唯一、癇癪まりさだけが正気を保っていた 「どうしよおおおお! これじゃあ余計にくるしませちゃうよおおおおお!」 「むきゅん! しかたないわ! いっそのことふらいぱんでやいてしまいましょう!」 「で、でもぉ・・・・それじゃあさっきみたいに・・・」 「たっぷりとあぶらをしけばもんだいないわ! きっとくるしまないでそくしするはずよ!」 言われたとおり、油をたっぷりと流し込んで強火で加熱する ぎらぎらと煮えたぎった油はさながら地獄の釜と言ったところだろうか その中へ一匹ずつ菜箸で挟んで投入していく 「やめちぇえええええええええ! ゆっぐぢでぎにゃい! ゆっぐじゆっぐじいいいいい!」 ボチャン! 「ゆびぃ!? ・・・ぴぎゃあああああああああああああ! ぎゃあああああああああ! あぢゅいいいいいいいい! あんびょぎゃかりゃぢゃがおべべがいぢゃいいいいいい!」 「やめちぇえええええ! れいみゅまだじぇんじぇんゆっぐぢじでにゃい! ゆっぐぢじじゃいいいいい!」 ボチョン! 「ゆぎょおおおおおおおおお! おぎゃあじゃ! おどうじゃ! だじゅげじぇええええ! いぢゃ! あぢゅ! あぢゅいいいい! おぎゃあじゃ! いぢゃあああああああ!」 「おねーしゃん・・・ おにぇがいぢゃよ・・・ れいみゅいいこにすりゅかりゃ・・・ こりょさにゃでにぇ・・・?」 ボベチョ! 「ああああああああああああああああああ! ああああああああああああああああああああ! あじゅううううう! ひぢゃいひぢゃいい! ごばごばばあああああああああ!」 「でいぶのがわいいおじびじゃんがああああああああああああああああああああ! おでええええざあああああああん! でいぶがわるがっだがら! あやばりまずがら! おじびじゃんぼだずげであげでぐばばびいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 加熱しすぎてしまった為赤ゆ達は余計に苦しむ羽目になってしまう 油の中で苦しそうにうねうねと蠢くおちびちゃん達 灼熱地獄から逃れようとして身体を動かすものの壁際までたどり着くことはできない ぱちゅりーは油に入れれば直ぐに即死すると言っていたが、そんなことは無かった まりさ同様死ぬまでに時間がかかり長く苦しむことだろう 「ぱちゅりいいいいいいいいいいいい!? 皆苦しんでるけど大丈夫なの?」 「そんなはずは・・・ むぎゃん!わからないわ!」 「でいぶのおじびじゃん! ゆんやああああああああああああ!」 口や目から油が侵入して呼吸することすらままならない 髪の毛やお飾りは熱で変形して原形をとどめておらず、外皮はこんがりときつね色に変わり始めている 高温で揚げてしまった為に中枢餡まで熱が通らず、いまだに死ぬことができない 「ひぎゃい! ひぎゃ! おぎゃじゃ! ひぎゃああああああ! ひっぎいい! ひぎゃい! あ、んぎょ!うぎょははひ! あんひぎょみげひゃぎいいい!」 「おへーはん! ひはひほおおお! ひはあっははあひひいいいいいいいい! おへはいははははふへええふははひいいいい! おへえはああああああん!」 「ゆぎょ! ゆゆがああああ! おぎゃあざあああああああああ! おぎゃざ! ゆがあああああ! ゆぎょお!ゆぎょ! おぎゃあざあああああああああ!」 舌に熱が通って呂律が回らないのかまともに喋れていない 菜箸で一匹ずつ取り上げて皿の上に置く こんがりとした揚げ饅頭が三つで仲良く並んだ ついでに先ほど潰したおちびちゃんの残骸をのせて一応料理らしくはなった 「むきゅぅ・・・ それはぱちぇがたべるわ・・・」 「いいの? おねがいするよ・・・私さっきのでお腹の調子がおかしくなってて・・・」 その提案を快諾するおねーさん すでに胃袋にはまりさがパンパンにつまっているのだ これほどありがたい申し出はないだろう 「むぎゅううううう・・・ おちびちゃんたちごめんね! はーみゅはみゅ!」 「ゆぎぃ・・・ いじゃい・・・ いじゃ『もぐちゅ!』・・・もっじょ・・・ゆっぐじ・・・」 あつあつのそれを口に含んで一気に噛み砕くぱちゅりー なかから程良く温まった体液が噴出し口の中に広がってゆく それは今で食べてきたどんなものよりも甘く、甘美なものだった 「はやぎゅ・・・でいびゅも・・・ごろじで・・・」 「まりじゃも・・・まりじゃもごろじじぇ・・・」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおお!? しんじゃっだらゆっぐぢでぎないでしょおおおおおおおおおお! おじぢじゃんだじゆっぐぢだよ!? ゆっぐぢぢでいっでね!! ゆっぐぢゆっぐぢいいいいいいいいいいいいいい! どぼじででいぶのおじびじゃんがごんなべにいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! ゆひひひひひひひひ!」 残りの赤ゆっくりも早く自分を食い殺すように懇願する れいむは我が子の死を受け入れられずに半狂乱になって叫び続ける 「ゆげええええええ・・・ なんでこんなにおいしいのにゆっくりできないのかしら・・・」 「「はやぎゅううう・・・ はやぎゅごろしちぇえええ・・・・」」 「わ、わかったわ! いまふたりともらくにしてあげるから!」 残りの二匹を同時に口に含んで同時に噛み砕く さっきの二倍の量の体液が溢れて口からタラタラと漏れる 何とか飲み込もうとするが、お飾りが仕えてなかなか飲み込むことができない 「もご!もごごごご!もごご! ごっくん・・・むぎゅ!エレエレエレエレ・・・」 「ちょ!ぱちゅりー大丈夫!?」 飲み込むと同時に内容物を吐き出してしまうぱちゅりー 白と黒が混ざりあったゲル状の液体を吐きだすと小刻みに痙攣し始めた 「大丈夫!?大丈夫ったら!? ねえ!?しっかりしてよぉ!」 半泣きになりながらぱちゅりーにオレンジジュースをぶっかけるおねーさん 意識は取り戻したもののぐったりとしているぱちゅりー 満身創痍の二人だが、まだれいむと癇癪まりさが残されているためリングアウトは許されない 23 「ごめんね! れいむちゃんはゆっくり逝かせてあげるからね・・・」 「おねーさん! 気をつけてね!」 「やべろおおおおおおおおおお! でいぶをごろずなああああああああああああ!」 れいむをシンクの中へと放り込み、高く掲げた包丁を振りおろして一気に絶命させようとするおねーさん 小細工をしても余計苦しませるだけだと悟ったので、多少は危険を覚悟しつつ絶命させやすい方法をとったのだ 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおお!? どぼじでまでぃざどがわいいおじびじゃんをごろじじゃっだのおおおおおお!!? おじびじゃんをづぐらぜだのはおねーざんでしょおおおおおおおおおおおおお!!」 「うぅ・・・ それは・・・」 「でいぶだぢだっていきでるんだよ! かけがえのないたったひとつのいのちなんだよ! ぞれなのに!どぼじでごんなひどいごどでぎるの!? おがじいよ!!まじがっでるよ!! おでーざんだって、がわいいがらおじびじゃんをづぐらぜだんでしょ!? かわいいおじびじゃんどゆっぐぢぢだがっだがら ごはんをむーじゃむじゃざせでぐれだんでじょ!? みんなみんなでいぶのだいぜづながぞぐだったんだよ! いのちだっだんだよ!!! ぞれをおなががずいだらむーじゃむじゃするなんでまちがっでるよおおおおおおおおお!!」 自らの死を悟ったれいむはおねーさんに向かって反論し始めた 命乞いをするよりも、理不尽に奪われてしまった家族の命の重さというものを訴えたかったのだろう れいむの反論はまだ続く 「でいぶだっでいっばいがまんじでぎだんだよ!? おぞどにでだがっだげどがまんじだよ!! くささんのうえでおじびじゃんどいっじょに おひるねしたりおうだをうだっだりじだがっだよ!! でぼ、おでーざんがゆるじでぐれながっだがら がんばっでがまんしたでしょおおおおおおお!? おじびじゃんどもっどあぞびだがっだのに べんぎょうずるっでいっであぞばぜでぐれながっだよねぇ!? でいぶにはやりだいごどがだぐっざん!あっだよ! もっどもっどゆっぐぢぢだがっだよ! でぼまでぃざもおじびじゃんぼおでーざんがむーじゃむじゃしじゃっだよ! もうなんじぼでぎないよおおおおおおお! ゆっぐぢでぎないよおおおおおおおおおお!」 そう、れいむは今まで沢山我慢してきたのだ お外にでてまりさと一緒に楽しく遊ぶおちびちゃん達を見ていたかった 草さんの上で一家そろってお昼寝したり、のーびのびしてみたかった かけっこをして元気いっぱいに遊ぶまりさのおちびちゃんが見たかった 楽しそうにお踊りを踊りながら歌うれいむのおちびちゃんの歌が聞きたかった それらは全て叶わずに、目の前に突き付けられたれたのは刃のように冷徹で残酷な現実だった 「おでーざんばでいぶのゆんぜいをだいっなし!にじだぜぎっにん!をどっでね! しゃざいどばいしょうをせいぎゅうずるよ!!! あまあまだぐざんどころじゃゆるざないがらね!? ぜぎにんどっでぎむをはだぜえええええええええええええええ!!!」 「・・・さいよ」 「ゆうううううううううう!? ぎごえないよ!? もっどはっぎりしゃべっでね!! あやまるんだったらどげざしでね!! おでこざんをゆがにこすり『うるさいよ!!!』ゆううううう!?」 「さっきから聞いてたらなんなの!! そんなこといってたら商売になんないでしょ!!」 「ゆぎいいいいいいいいい!? ぎゃくぎれするなあああああああああああ!!」 「こっちは商売でやってるんだよ!! あんたをゆっくりさせるためのボランティアじゃないんだよ!! 命? かけがえのない!? 大切な命!? なにそれ?おいしいの? 人間はあんたらゆっくりだけじゃなくて全ての生き物の命をもてあそぶようなゲスなんだよおオオお! 犬や猫なんて可愛がってても簡単に捨てて毒殺するし! 牛や豚なんて食う為に無理やり太らせてバラバラにしちゃう! 人間のじゃまなら徹底的に絶滅するまでいぢめる、殺す! 遺伝子だって都合よく組み替えるようなゲスだよおオオおお! ゆっくりだって例外じゃないんだよ! 人間の言うこと聞かない悪い子は加工所で潰しちゃうんだよ!」 「ゆがあああああああ!!! でいぶはわるいごじゃないいいいいいいい!!! じゃんどにんげんさんのいっでだごどはまもっでだよおおおおおおおおおおお!!! でぼ、おぞどでゆっぐぢする“るーるさん”じがおぞわっでないのに おうちにとじこめたのはおまえだああああああああああああああああああああ!!!」 「そんなのしらないよ!? 私が買ったんだから私の言うこと聞くでしょ普通!」 「なにぞれええええええええええええ!? ぞんだのむじゃぐじゃだよおおおおおおおおおおおお!!」 ついに開き直ったおねーさん れいむは反論の余地を失いぱちゅりーに助けを求めた 「ばぢゅりいいいいいいいい!!! だずげでよ! おなじゆっぐぢでじょおおおおお!? かけがえのないいのちをまもっでよおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「むきゅん・・・ あなたが“かけがえのないいのち”なんていってもうすっぺらくきこえるだけよ ゆっくりあきれめて、おいきなさい」 「ゆぎゃあああああああああ!!! おじびじゃ! でいぶをだずげろゆっぐぢざぜろおおお!」 「ゆひいいいい! むりなのじぇ! まりしゃはひちょりでゆっくちしゅりゅかりゃ、おきゃあしゃんなんちぇしらにゃいよ!」 「ゆがああああああああああ!!! ふざけるなあああああああああああ!」 最愛のおちびちゃんにも見捨てられ怒りが沸点に達したれいむ こめかみのあたりからは餡子が噴出しており、穏やかではない 「こうなったのも全部私のせいだから! ごめんね!れいむちゃん!」 「ゆがああああああああああああああ! やべろおおおおおおおおおおおおおおおお!」 れいむに向かって真っすぐに包丁を振り下ろす 眉間の辺りに突き刺さり、そのままあんよへと貫通した しかし中枢餡は無事だったのか、れいむは包丁に貫かれたまま生きていた 「ゆぎょおおおおおおおお?! なにごで!?どぼなっでるのおおおおおおおお!? いぢゃい!いぢゃい!いぢゃいいいい! でいぶのおがおが! でいぶのおおおおおお!!! ごおごおおおおおお! でいぶのおがおおおおお! でいぶのでいぶのおおおおおおおお!?」 「ひいいいいいいいい! ぱちゅりー!? これどうすればいいの!? 助けてよ!!!」 「むきゅううううううううう!? そんなのしらないわ! おねーさんがなんとかしてちょうだい!!」 「ゆんやああああああああ!!! おぎゃあじゃああああああああああああ!!!」 完全にパニックったおねーさん れいむのあんよにかぶりつく 「えーい!ままよ!がぶり! むじゃああああむじゃあああ! もぎゅもぎゅううううううう!」 「ゆぎいいいいいいいいい!? ゆぐぢいいいいいいいいいいいいいい!!」 「むぎゃあああああ!?おねーざん!? おじづいでね!? あぶないわよ!?」 頭に血が上ったおねーさん 暴れるれいむを食い続ける 「ガツガツ!むしゃむしゃ! ・・・うっ おげええええええええええええええええええ!!!」 「お、おでええええええええざああああああああああ・・・うっっぷ!エレエレエレエレ!」 胃が限界に達したのかついに中身を吐き出してしまった それをみてもらいゲロをするぱちゅりー ピンポーン! タイミング悪く来客を知らせるベルが鳴る 正常な判断ができないおねーさん 包丁片手にドアを開ける 「ちょっと!!! さっきから五月蠅いんですけど、いいかげんに・・・・ってなにそれ」 「ごめんなさい・・・ ごめんなさいいいいいいいいいいいいい!!!」 「でいぶを!! でいぶをだずげでぐだざいいいい!! おでがいじば・・・ゆげえええええええ! ゆごごごごげべっげべっげべええええええええええ!! ・・・・・ガクッ」 「エレエレエレエレ・・・ おでーざんぼゆどぅじであげべぐばばび・・・」 抗議に来たお隣に住んでいる女性の住人はおねーさんの姿をみて絶句した 洋服はこげ茶色の嘔吐物でぐちゃぐちゃに汚れ、血走った眼で包丁を掲げるおねーさん 包丁に突き刺さったまま助けを求めてながらタイミング良く絶命したゆっくりれいむ 脇に抱えたられたゆっくりぱちゅりーは白く泡立った中身を吐きだしている 「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 苦情を言いに来た女性は何も言わないで帰って行ってしまった おねーさんはボー然と立ちつくしてその場で失禁した 24 「・・・こんなふうにガラスさんを割ったりしたら破片であんよが切れちゃうんだよー! みんなわかったかなー?」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」 「それじゃあみんな! ぱちぇといっしょにふっくっしょう!しましょう!」 「「「「「はーい!」」」」」 一週間後、そこには元気に赤ゆっくりに授業をするおねーさんとぱちゅりーの姿が! なんとかあの後正気を取り戻したおねーさんはぱちゅりーを介抱して一命を取り留めることに成功した そもそもどうしてあんな酷いことをしてしまったのか、自分でもよくわからない 最初からぱちゅりーの言うとおりラムネを使っておけばよかったと思うが既に過ぎたことだ 後悔してもおそい 「それじゃあいいこにべんきょうしたこにはごほうびのあまあまをあげましょう!」 「「「「「あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」」」」」 「みんなひとりふたつづつだからねー! なかよくわけてねー!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」 現在、おねーさんの部屋にはれいむ種、まりさ種の他に ありす種ぱちゅりー種みょん種などの他の種族などもおり計五匹がおねーさんとぱちゅりーの授業を受けている 種類がバラバラなのは、同じ種族より違う種族を一緒に育てた方が教育しやすいとネットで知ったからだ 完全に和解した二人はそれぞれの持ち味を生かして、解りやすく覚えやすい授業を行っている 努力の甲斐あってか順調に教育は進んでいるようだ このままいけば金は無理でも銀バッチならとれるかもしれない 「ゆがああああああああああ! そのあばあばはまりざのなのぜ! ごっじによごぜええええええ!」 あまあまを貰う為にぱちゅりーの前に並んでいた赤ゆっくりの列に、一匹の子まりさが割り込んできた 例の問題児、癇癪まりさである 「よごぜええええええ! ばでぃざにあばあばをよごぜえええええ! ぜんぶだああああああ!」 「みんな! みてちょーだい! こんなふうにじぶんだけゆっくりしようとするゆっくりはゆっくりできるかしら?」 「ゆっくちできないよ! おなじまりしゃとしちぇはぢゅかしーよ!」 「れいみゅもこんなまりしゃとなんかいっしょにゆっくちしちゃくないよ!」 「きょれはひぢょい・・・なんちぇいにゃかもにょなにょかしりゃ!」 「むきゅぅ・・・ これがげしゅなのにぇ・・・」 「はぢをしるちょいいみょん!」 「そうだね! 自分勝手なわがままな子はお仕置きだね!」 おねーさんは癇癪まりさを持ち上げると、透明の平たい物を取り出した いびつに角ばった先端が鋭く光る 「これはさっきお話ししたガラスさんが割れたものです。 これであんよをひっかくと・・・」 「ゆぎぃ!? までぃぢゃのしゅんしょくのあんよしゃんがああああああああ!」 「あんよが傷ついてなかの餡子が漏れちゃいまーす!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」」 癇癪まりさは赤ゆっくりの教育道具として一役飼っていた 授業を妨害したりあまあまを奪おうと襲い掛かってくるがその度に返り討ちにあう ある時はライターで髪の毛を燃やされ、ある時は辞書を頭におとされて・・・ と、襲い掛かる度に授業の実験材料にされてしまうのだ 本ゆんは本気で妨害しているつもりだが、むしろ赤ゆの教育に役立っているので感謝したいくらいだ 「はーい! あまあまを食べたらおひるねしてゆっくりしようねー!」 「「「「「ゆわーい!」」」」」 「ゆがああああああ! いぢゃいいいいいい!」 喚く癇癪まりさは放っておいてお昼寝の準備をする 致命傷ではないので後で治療すればまた元気にゲスいセリフを吐くだろう これからも長い間、教材として頑張ってもらわなければならないのだからこれくらいで死なれては困る おねーさんはゆっくりの扱いにだいぶ慣れてきたようだ 「ねぇ、ぱちゅりー?」 「むきゅん? なにかしらおねーさん」 赤ゆっくりを寝かして、癇癪まりさを治療し終えたおねーさんは小さい声でぱちゅりーに呼びかけた 「これから行きたいところがあるんだけど一緒について来てもらえる?」 25 「次の方、どうぞ」 「・・・お兄ちゃん?」 やって来たのはゆっくりクリニック おねーさんはぱちゅりーの健康診断という名目で兄に会いに来たのだ 「全く・・・私用で顔を出すのはやめろって言っただろ」 「今日はぱちゅりーの健康診断ってことで来てるからいいでしょ でね、お兄ちゃん・・・ついでにお礼を言いに来たんだけど」 「悪いが今は勤務中だ。 プライベートなことは後にしてくれ」 「はぁ・・・相変わらず融通利かないんだね・・・まぁ、いいや ぱちゅりーのことありがとね。 おかげでうまくやれそうだよ」 「そうか・・・ とりあえずその書類に目を通しておいてくれ 俺は内容物の採取の準備をしてくるから、その間にこれをなめさせておいてくれ」 「これは?」 「ラムネだ。 ゆっくりに舐めさせると『眠気を催してぐっすりと眠ってしまいます』・・・・」 「でしょ? お兄ちゃん」 「・・・・知ってたのか。 書類読んでおけよ」 兄はそう言って奥へと行ってしまった 「むきゅう・・・もうちょっとすなおにおはなしすればいいのにね」 「しかたないよ・・・昔っからああだもん」 「むきゅぅ? そうなの?」 「人前だとあんな風に他人みたいな話し方しかしてくれなかったんだ・・・ あの態度が好きになれなくて、気まずかったからあんまり近くに寄らないようにしてたんだよ ホントはもっと仲良くしたかったんだけどね」 人前では他人行儀な態度をとる兄 そのくせ、家で二人っきりの時はふざけた態度で接してくる それは交通事故で両親が死んで家族が二人っきりになっても変わらなかった そんな兄と関わるのが嫌になって自然と距離を置いて行くようになった 思えばこのことを誰かに話したのは初めてかもしれない 兄のことを誰かに相談するのは気が引けた したとしても悪口ばっかり言って素直に思っていたことは話せなかっただろう もしかしたらゆっくりのぱちゅりーだからこそ正直に話せたのかもしれない 「おにーさんはおねーさんにきらわれるのがこわかったのよ、きっと」 「え? 嫌われたくなかったら普通はもっと仲良くしてくれてもいいんじゃないの?」 「むきゅん! すかれたいひとにはなかなかすなおになれないものよ! とくに、ほかのひとのまえではね」 「え? よく解らないんだけどどういうことなの?」 「せけんていというやつもあったんじゃない? おねーさんとちがってえりーとさんみたいだし」 「ねぇ・・・それってどういう意味なのかな?」 「むきゃ! ぱちぇはおもったことをいったまでよ!」 「・・・・・・読み終わったか?」 兄が戻って来た ずれたメガネを左手の中指と人差し指で直している 「あ・・・ごめんなさい。 まだです」 「なら早くしろ。 気になることがあれば書いておけ こいつには向こうでラムネを舐めさせておく」 「うん、わかった・・・お兄ちゃん?」 「・・・・・」 「ホントにありがとね」 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・一つだけアドバイスだ」 「・・・何?」 「命は大切にな」 兄はそう言うとぱちゅりーを抱えて行ってしまった 「むきゅん・・・やっぱりすなおじゃないのね」 ぱちゅりーがぼそりと呟いた 終 あとがき ここまで読んでいただいてありがとうございます 本当なら前後篇で二分するはずだったんですが 気付いたら三分割になってしまいました・・・すみません 今回はブリーダーものということで 人間による身勝手な命の価値基準というのがテーマでした 当初はオチをゆっくり一家の自滅にしようとしたんですけど 書いているうちに・・・どうしてこうなった というわけでここまでお付き合いいただきありがとうございます 次回からはなるべく短めにまとめて行こうと思っています では 書いたもの anko2410 さくのなかとそと anko2428 はんせいしてますごめんなさい anko2441 ありすはありす anko2469 にくたいげんご
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『人間の世界でゆっくりが見た夢(中)』 三、 夕日が街を赤く染めていく。人間もゆっくりも等しく帰路へと着いていた。一日の仕事に疲れ切った人間たちの視界にゆっく りは入らない。歩道をずりずりと移動していても、それを気に留める者は少なかった。「あぁ、ゆっくりがいるな」くらいにし か思っていないのだろう。ゆっくりに関わることのない一般人の反応などは大体こんなものだった。苦情を出す者。受ける者。 街のゆっくりに対する扱いに関してあれこれと考えているのはごく一部の人間でしかなかったのだ。その他大勢の人々にとって、 ゆっくりは心底どうでもいい生き物だったと言える。 それでも、廃材置き場で暮らす野良ゆたちは時折遠くから聞こえる同族の悲鳴に怯え身を寄せ合っていた。徐々にではあるが 聞こえてくるゆっくりの悲鳴は日を追うごとに増えてきているように感じる。そして、その感覚は間違ってはいなかった。街は ゆっくりに対する策を講じ始めていた。とは言ってもまだまだ保健所職員などが駆り出される頻度が増したくらいのもので、街 全体に影響を与えるようなものではなかったが。 「むきゅ。 あれをみてちょうだい」 ぱちゅりーの視線の先にあるのはビルの前に設置されている大型のテレビ画面だ。たまに行き交う人々が足を止め、テレビに 映し出された映像をぼんやりと眺めている。目の前のバス停に座っている女子高生たちもそれに視線を向けていた。 まりさとちぇんはぱちゅりーの言う“メディアさん”がどういったものかを理解した様子で目を丸くしたまま動かない。あの テレビ画面に映し出された自分たちが“人間さんの街からゆっくり出て行くよ!”と嬉しそうに話す姿を妄想すると、自然と顔 がニヤケてしまう。自分たちで出て行くと言うのだから人間にしても大助かりのはずだ。そう確信していた。事実、殺される恐 怖も殺す手間も省けるのだ。 「でも、どうやってあの“めでぃあさん”のなかにはいればいいの……?」 「そうだねー……。 あんなににんげんさんがたくさんいるところにはいっていったら、ゆっくりできなくさせられちゃうよー」 「むきゅぅ……」 さすがにそこまではぱちゅりーにも分からない。時計が午後七時を指す。夕方のニュースが始まったようだ。路地裏の入り口 付近から人間たちと同じようにテレビ画面を眺める三匹。そこに映し出されたのはゆっくりの姿だった。三匹が互いの顔を見合 わせる。 ニュースのテロップには“増えるゆっくり被害・駆除活動追い付かず”との文字が見えたがぱちゅりーたちには何と書いてあ るかが分からない。ニュースの内容は主に“飼いゆっくりブームの終了から野良ゆの蔓延”までがドキュメンタリー調で報道さ れており、保健所職員たちによる現場での生々しい声が伝えられていた。しかし、テレビの音声はぱちゅりーたちの元までは届 かない。テレビ画面の中には人間の家の中で幸せそうに暮らすゆっくりの姿があった。その姿を自分たちが幸せに飼われていた 頃と重ねてしょぼくれる。どれからともなく三匹は廃材置き場へと無言で引き返した。 メインのニュースはぱちゅりーたちがその場を去って行ったあとに始まったのだ。テレビは保健所などに寄せられた苦情や事 件をまとめて一斉に報じている。周囲でテレビを眺めていた人間たちは、“その話題”に移ってから注目を始めた。人間は直視 すべき問題の取捨選択をする。ブームを巻き起こした飼いゆっくりの話題などに興味はなかった。それはもはや過去の出来事で しかない。しかし、今ブラウン管を通じてニュースが伝えているのは現在の出来事である。テレビ画面には薄汚れた野良ゆの家 族や、意地汚くゴミ箱を漁る数多のゆっくりたちの姿が映し出されていた。人々が眉をしかめる。極めつけは野良ゆの起こす事 件を処理する職員たちの悲痛な声。 それらのニュースが終わった後に数人の女子高生たちが野良ゆについての会話を始めた。 「ていうかさ、……ゆっくりってキモくない?」 「だよねー。 なに生意気に街で暮らそうとしてんのって感じ……?」 到着したバスの中に乗り込みながらそんなやり取りを交わす。辺りには夜の帳が下りようとしていた。淡く瞬く星々。夜空を 見上げれば人間にもゆっくりにも等しくその光は映ることだろう。しかし、人間の見る世界とゆっくりの見る世界は同じのよう に見えて、全く異なるものであったのかも知れない。 街灯の光も届かない廃材置き場に戻ってきたぱちゅりーたちの暗い表情に気がついたのか数匹のゆっくりたちが寄ってくる。 「どうしたのぜ……? なんだかげんきがないんだぜ……?」 「むきゅっ……なんでもないのよ……」 まりさの無事を喜ぶありすが微笑んで頬をすり寄せる。ちぇんが二匹の微笑ましい様子を見ながらぱちゅりーを壊れた傘の向 こう側へと呼び寄せた。 「どうしたのかしら?」 「あのね……ぱちゅも、いちどだけかわまでのみちをおぼえたほうがいいとおもうんだねー」 「むきゅ。 そうね。 それじゃあ、あしたはぱちゅもいっしょにおでかけすることにするわ」 ぱちゅりーでしか気付けない事もあるだろう。計画の首謀者たる自分が移動ルートを把握していないわけにはいかない。ちぇ んとの話し合いで明朝、やはり、まりさとちぇんと一緒にぱちゅりーも堤防までは行ってみることになった。孤ゆと共に暮らす というれいむにも会って話がしてみかったのだろう。 「ゆ……ゆっくりしていってね……っ!」 廃材置き場に見慣れないゆっくりが現れた。ありす種とみょん種のゆっくりである。一目で野良と分かる風貌で怯えながら声 をかけてくる様子を見て、ぱちゅりーは無言で微笑みと一緒に挨拶を返した。最近、こうして廃材置き場の群れと一緒に暮らす 事を願うゆっくりが増えてきているようである。幸い、廃材置き場は広く新たにおうちを作るスペースには事欠かない。事情を 聞くとやはり、人間に飼われていたところを捨てられてしまったというごくありふれた話であった。この群れで暮らす第二世代 のゆっくりとは別に、新たに捨てられてしまうゆっくりも後を絶たない。 「ありがとう……っ! ほんとうにありがとう……っ!!」 ありすとみょんが泣きながら群れのゆっくりたちに礼を言う。その涙は他のゆっくりたちと同様、やり場のない怒りと悲しみ、 そして暖かな優しさに心打たれた事により溢れたものであると言える。二匹はずりずりと積み上げられたコンパネの後ろに這っ て行った。 眠りにつくゆっくりたち。そんな中、ぱちゅりーが一匹で星空を見上げている。ぱちゅりーの母親ゆっくりである親ぱちゅり ーは、森の中から見上げる星空の美しさを何度も語って聞かせてくれた。人間に飼われていた頃は天井に遮られ星空がどんなも のかを知ることはできなかったが今は違う。あのゆっくりできた日々はどうやっても帰ってこないが、その代わりに得た物も決 して少なくはなかった。ぱちゅりーは仲間と共に生きていくことの大切さを野良になって初めて学んだ。そして、一緒に頑張れ ばどんなことだってできるのだと信じる力を手に入れた。この気持ちを森で暮らすゆっくりたちに伝えたかった。野良として過 ごした時間は決して無駄にはならないだろう。 「ぱちゅ……」 「ちぇん。 どうしたのかしら……? こんなよるおそくに……。 れみりゃにたべられちゃうわよ……?」 「それはぱちゅもおなじなんだねー……」 「……むきゅきゅ。 ……そうね」 「ぱちゅ。 あのおはなしのこと……かんがえてくれたのかな……?」 「ちぇんとずっといっしょにゆっくりしてほしい、というはなしのことかしら……?」 ぱちゅりーは少しだけ恥ずかしそうに目を伏せた。ちぇんは頬を真っ赤に染めながらぱちゅりーの横顔を覗きこんでいる。ち ぇんはぱちゅりーに恋心を抱いていた。どれだけ危険な役目を担おうとも、それを遂行する強い意志の原動力はぱちゅりーへの 想いからくるものである。 「もりにかえるまでは……まってくれないかしら……?」 「りかいしたよー……。 こんなだいじなときに、こんなはなしをしてごめんねー……」 「き、きにしないでちょうだい……。 そ、その……ぱちゅもみんながもりにかえるまでは、いそがしいから……」 ちぇんが呆けたような表情を浮かべる。それが月明かりにほんのりと照らされぱちゅりーの視界に映し出された。今度はぱち ゅりーが頬を染める番だ。ぱちゅりーもちぇんの事が好きだった。無事に、森に帰ることができたのならば、ちぇんのプロポー ズを受け入れて共に静かに暮らしたいと願うほどに。 「じゃあ……もりにかえれたら……?」 「む、むきゅぅ……///」 二の句を継げないでいるぱちゅりーの仕草をちぇんはプロポーズの肯定と受け取っていた。真夜中だというのに太陽のような 笑顔を浮かべてぱちゅりーに頬をすり寄せる。邪気は無かった。親愛の意味を込めて、ちぇんは優しく、儚く、切なく、ぱちゅ りーの頬に触れている。ぱちゅりーもまた、それに応えた。 「ぜったい、いっしょにもりにかえろうねー……っ!」 「むきゅ。 とうぜんよ。 それで、みんないっしょにしあわせー!になりましょう」 「やくそくだよっ?」 「やくそくよ」 夜の冷たい空気が二匹の頬を撫でた。見つめ合う二匹は動かない。それから一呼吸置いて、どちらからともなく笑みを浮かべ た。 野良ゆたちの悲願。未だ見ぬ故郷。思い描く夢。その夢が、二度と醒めない魔法をかけるために日々を過ごしてきた。自分た ちは人間と一緒に暮らすことはできない。それを知ってから長い月日が流れた。人間たちにしてみれば僅かな時間であったかも 知れない。それでも、野良ゆたちにとっては永遠にも等しい時間だったと言える。 梅雨が近づいているというのに穏やかな天気が続いていた。野生で暮らすゆっくりたちは自然の恩恵を受けながらはしゃいで いる事だろう。その夜ぱちゅりーは夢を見た。ゆっくりでも夢を見る事があるのだ。見覚えのない景色の中に灰色の床や壁はな い。緑色の柔らかい草の絨毯の上でのんびりと日向ぼっこをしている。ただ、それだけの夢。 翌朝。ぱちゅりーは涙を流していた。ぱちゅりーを起こしにきたちぇんとまりさが不安そうに覗きこむ。ぱちゅりーは一瞬だ け戸惑ったような表情を浮かべたが、すぐにいつもの沈着冷静な顔に戻った。まりさが散策の準備をするために一度おうちへと 帰っていく。残ったちぇんは無言でぱちゅりーの頬にぺーろぺーろをした。ぱちゅりーが“ありがとう”と呟く。支度を終えた まりさが廃材置き場の真ん中で待機していた。二匹揃って仮の巣穴から這い出す。少しだけ纏わりつくような湿気があり、気温 よりも体感温度は高く感じた。 「それじゃあ、ゆっくりしゅっぱつするよ」 「むきゅ。 ゆっくりりかいしたわ」 まりさとちぇんに守られるような形であんよを這わすぱちゅりー。野良として今日まで生きてきたぱちゅりーは守られなけれ ばならないほどに弱い存在ではない。しかしぱちゅりーは群れのリーダーに当たる。万が一の事が起きてはならない。三匹は物 陰に隠れながらずりずりと移動を続けた。 「そのれいむはゆっくりできているのかしら……?」 「れいむはゆっくりしたゆっくりだとおもうよー……。 でも、ちびちゃんたちをそだてるのがいそがしくて、ゆっくりするじ かんはあんまりなさそうだねー……」 「むきゅー。 やさしいのね」 人通りが少ないうちに大きな道路を横切る。体力を温存するためにあんよをずりずりと這わせていたが、ここだけはぴょんぴ ょんと飛び跳ねなければならない。少しだけ息が乱れたぱちゅりーを休ませた後、再びあんよを堤防へと向ける。まりさもちぇ んも道筋を正確に記憶しているようだった。ぱちゅりーが何度も二匹にあんよを運ばせたのにはこういう意図があったのだろう。 お世辞にも自分たちは記憶力が良くない。だがさすがに一日置きくらいに同じ場所へと通えばゆっくりと言えども記憶すること ができるようになる。ゆっくりたちが多少なりとも知恵を身に付けたのは、毎日街で辛い生活を送ってきたからだ。 「や゛べでよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ッ!!!」 朝の澄んだ空気を切り裂くかのような悲鳴が上がった。まりさとちぇんが顔を見合わせる。聞き覚えのある声だ。ぱちゅりー を後方に配置してゆっくりとあんよを進める。三匹とも額に冷や汗が伝っていた。 「い゛ち゛ゃい゛ぃ゛ぃ゛!! お゛ぎゃーじゃあ゛ん゛っ!! だじゅげちぇぇぇ!!!」 三匹の視界に飛び込んできたのは数人の小学生男子。そして少年の手の中にいる赤ゆたち。れいむが泣きながらアスファルト に額をこすりつける姿。 「おねがいだよっ! ちびちゃんたちをおろしてあげてねっ!! すごくこわがってるよ!!!」 哀願するれいむの顔が滑稽に映るのか少年たちは声を上げて笑っている。指で下腹部を圧迫された赤まりさが小さな口からポ トポトと餡子を吐き始めた。眉を潜める小学生の一人。 「うわっ! 汚ぇ!! なんだコイツ!!!」 赤まりさがアスファルトに叩きつけられた。その衝撃で小さな体の皮が一瞬で弾け飛び餡子を四方に散らす。もはや形を成さ ない体で痙攣を起こしている。消え入るような声で「おかあさん……」とつぶやいていたが、しばらくしてピクリとも動かなく なってしまった。 「もっちょ……ゆ、っく……――――」 「う……うわああぁぁぁぁ!!!!」 れいむがボロボロと涙をこぼしながら跳ね寄る。崩れた赤まりさの残骸に必死で舌を這わせていた。 「ちびちゃん!! ちびちゃん!! ゆっくりしないでなおってね!! ぺーろぺーろ!!!」 「治るわけねーじゃん!!」 言い放ちれいむを蹴り上げる少年。宙に舞ったれいむは堤防にぶつかった後、斜面をごろごろと転がり落ちてきた。その様子 がまたツボに入ったのか大笑いをする。 「ゆっくり、ってさ。 案外簡単に潰れるんだなー」 「見ろよあの顔。 ゆっくりのくせに何泣いてるんだよって感じじゃん」 ぱちゅりーたちがガタガタと震えていた。目の前の人間たちは“白衣の悪魔”ではない。それなのにどうして執拗にれいむ親 子を潰しているのだろうか。違和感はそれだけではなかった。あの笑顔。なぜ、人間たちは笑っているのだろう。それも、あん なに楽しそうに。顔をぐしゃぐしゃにして大泣きしているれいむとの対比があまりにも異常に感じた。 「おきゃーしゃああああん!!!!」 掴まれていた赤れいむが手の中から逃れようとあんよを滅茶苦茶に動かしていた。 「くすぐってぇ……けどなんか気持ちわりぃ!!」 それだけ言って赤れいむの顔を真っ二つに引き千切った。勢いよく口が裂けた瞬間、呻くような短い声と一緒に大量の餡子が 吐き出される。舗装された道路の上にボトボトと餡子が落ちた。赤れいむは口を中心に上下に引き裂かれている。即死だったの だろう。目玉は裏返り白目を剥いている。その姿を見たれいむが更に大声を上げた。それを面白がってれいむの顔面に蹴りを入 れる。息苦しさに折られた歯と一緒に餡子を吐き出しながらも、子供たちの身を案ずるれいむは本物の母性を持つ母親ゆっくり の姿だ。しかし、無邪気ゆえに残虐な少年たちの前でその優しさや想いはまるで意味のないものだった。赤ちぇんの尻尾が引き 千切られる。びくびくと痙攣を起こしながら助けを求める赤ちぇんを踏み潰す少年。れいむはもう声を上げる気力さえ残ってい ないようである。それでも少年たちの“遊び”は終わらない。“遊び”の目的はれいむのリアクションを楽しむ事から、無抵抗 の赤ゆを潰すことにすり変わっていた。 「ありしゅのあにゃるしゃんがぁぁぁ!!!」 赤ありすのあにゃるに自身の幅の三分の一ほどもあるサインペンが突き刺された。あにゃるを引き裂かれる激痛に身を捩る。 少年はサインペンを摘み、動くことのできない赤ありすの顔面を何度も何度も固いアスファルトに打ち付ける。最初のうちは叫 び声を上げて抵抗を試みていたが、すぐに動かなくなってしまった。既に赤ありすは死んでしまっているのだろう。それによう やく気付いた少年が壊れた玩具に飽きたかのような表情であにゃるからサインペンを引き抜き、絶命した赤ありすを堤防の向こ う側に投げ捨てた。赤ぱちゅりーは束ねた髪の毛を全てむしり取られてしまったいる。その禿頭を消しゴムのようにしてアスフ ァルトにこすりつけられた赤ぱちゅりーは摩擦熱と擦り傷のせいで、中身を大量に吐き出しすぐに死んでしまった。赤みょんは れいむの足下に勢いよく叩きつけられて爆散した。最後の最後まで「助けて」、「ごめんなさい」と繰り返す叫び声がれいむの 脳裏に纏わりついて離れない。 ほんの一瞬の出来事だった。ぱちゅりーたちは絶句してその場を動くことができない。さっきまで七匹も目の前にゆっくりが いたのに、今はれいむ一匹だけだ。恐ろしくて声も出すことができなかった。少年たちがれいむに歩み寄る。れいむは涙を流し ながら少年たちを睨みつけていた。その顔が癇に障ったのか少年の一人がれいむの揉み上げを片方踏みつけて、その自由を奪っ た。打ち合わせたかのようにもう一人の少年がれいむを蹴り飛ばす。固定されていた揉み上げは根元から千切れ飛び、れいむは 堤防に作られたコンクリート製の階段に叩きつけられてしまった。うつぶせのような姿でぶるぶる震えている。 「こらぁっ! あんたたち!! さっさと学校に行きなさい!!!!」 「やっべ! 遅刻しちまう!!! おい、もう行こうぜ!!! こいつはまた“帰って来てから蹴って遊ぼう”!!!」 本当に無邪気な笑い声を上げながら走り去っていく少年たち。ぱちゅりーたちはその後ろ姿を呆然と見ている事しかできなか ったのだ。 惨劇が終わりを告げた。辺りが静寂に包まれる。後に残されたのはぐしゃぐしゃになってひしゃげた顔のようなもの。まき散 らされた餡子。被害に遭ったのが赤ゆたちばかりだったせいか飛び散った量は少ないように感じた。しかし、実に七匹分の命が アスファルトにこびりついている事を思えば一種のおぞましさを感じさせるに十分な量である。同じように散在する髪の毛や飾 り。見ようによっては凄惨な事故現場を連想させるその地獄の中で、母親であったれいむが呆然と立ちつくしていた。そのあん よの下にぽたぽたと涙が落ちる。 「ちびちゃん……どうして……どうしてぇ……? とてもゆっくりしたいいこたちばっかりだったのに……。 ゆぅ……ゆぐっ、 ひっく……ゆああああん!!!!」 まりさの目から涙が溢れた。自分たちと同じ目に遭わされたれいむの姿に過去を重ねているのだろう。擦り傷だらけのれいむ の元にぱちゅりーがそっと近寄る。れいむは自分に近づく気配に恐れ慄き逃げようとしたのか、バランスを崩して後ろ向きに倒 れてしまった。 「ゆあぁ……やめて……やめてよぉ……!!」 顔面蒼白で「やめて」と繰り返すれいむの瞳は暗く淀んでいた。不自然なまでに流れ出る汗の量も常軌を逸している。ぱちゅ りーを視界に入れてもれいむの恐慌状態は一向に収まる気配がなかった。 「こ……こないでねっ!! こないでねっ!!! れいむ、なんにもわるいことしてない……してないよぉ!! だからいたい ことしないでねっ!!! ゆんやあぁぁ!!!」 駄々をこねる子供のように顔を横に激しく振りながら大粒の涙を流す。そこに先日出会ったときの優しい母親ゆっくりの面影 は微塵も残されていなかった。 「れいむ……」 「こないで、っていってるでしょぉぉぉ??!!!」 れいむの体当たりがぱちゅりーを捉えた。突き飛ばされてごろごろと転がるぱちゅりー。慌ててまりさとちぇんがぱちゅりー に駆け寄る。気がつくとれいむはいつの間にか三匹の視界から消えてしまっていた。気温と湿気のせいか三匹もまた大量に嫌な 汗をかいている。ぱちゅりーは少しだけ苦しそうな表情を浮かべていたが、やがてポツリと呟いた。 「……いまはそっとしておいてあげましょう……」 「ゆ……そうだね」 「でも、かならずあのれいむもいっしょにもりへつれてかえりましょう。 ぱちゅはあのれいむのことをほうってはおけないわ」 「わかるよー。 ちぇんもおなじきもちなんだねー」 三匹は堤防を後にした。いつまでもここに留まってはいけないような気がしていたのだ。ずりずりとあんよを這わせて路地裏 を引き返す。三匹の胸中は様々だった。トラウマを揺さぶられたまりさ。ちぇんはみょんの事を思い出しているのだろう。ぱち ゅりーは、初めて見た人間の行動パターンの違和感について考えを巡らせていた。 人間たちの嬉々とした笑顔。ぱちゅりーも白衣の悪魔に仲間が潰されてしまうところを見てしまったことがある。しかし、彼 らはあんな表情を浮かべていなかった。あんなに笑い声を上げながら自分たちを襲いはしていなかった。 (いったい……どうしてなのかしら……?) 戸惑いを隠せないぱちゅりー。じっとりした空気が紫色の髪に絡まる。急に不安感に煽られたぱちゅりーがあんよを止めた。 遅れて二匹も立ち止まって振り返る。 「どうしたのー?」 ちぇんがぱちゅりーに声をかけると、我に返ったようにぱちゅりーが笑顔を作って見せた。それが取り繕いの笑顔でしかない 事はまりさもちぇんも、本人も理解している。嫌な予感だけが頭の中をちらついていた。何かが起ころうとしているのだ。しか し、その何かが何なのかを知る術はない。不安は他者に伝わる。先ほどの惨劇もあってか三匹は言葉を失ってしまった。思考回 路がフリーズしかけているのだ。こうなってしまったゆっくりはしばらくその場を動くことができない。 「……おうちにかえりましょう」 振り絞るように呟いたぱちゅりーの言葉が二匹の金縛りを解く。それからとぼとぼと廃材置き場まで戻ってきた三匹は誰にも 何も言わずにそれぞれのおうちに戻ってしまった。ありすが心配そうにまりさに何があったのかを尋ねるが、まりさは答えよう とはしなかった。ありすもそれ以上深く追求しようとはしない。何かあったに違いないのだ。言いたくなければそれでも良かっ た。 ぱちゅりーはおうちの中でずっと考えているようだった。心の底から恐れる人間は“白衣の悪魔”だけと言っても良かったの だ。それ以外の人間であれば、出会ってすぐに逃げ出せばわざわざ追いかけてくるような者はいなかった。しかし、今日の惨劇 を引き起こしたのは“白衣の悪魔”以外の人間である。それが何を意味するか。そう遠くない将来、全ての人間が自分たちを執 拗に排除する日が訪れるのではないのだろうか。それを思うとぱちゅりーは震えが止まらなかった。これまで自分たちが何とか 生き延びてこれたのは、執拗にゆっくりを追い回す人間の絶対数が少なかったからだ。人間の数は凄まじい。あんなにたくさん の人間が一度に襲ってきたら、どんなに賢いゆっくりでも即座に叩き潰されてしまうだろう。 「むきゅぅ……。 ぱちゅたちのことがきらいなら、そういってくれればいいのに……。 なにもいってくれないから、ぱちゅ たちもにんげんさんとなかよくするほうほうがすこしもわからないわ……」 考え続けているうちに眠ってしまったようだ。ちぇんがおうちの中に飛び込んできて自分を叩き起こすまでぱちゅりーは泥の ように眠り続けていた。慌てるちぇんをジト目で睨みつけながらぱちゅりーが身を起こす。 「れいむが……あのれいむが、“めでぃあさん”のなかにはいってるんだねー!!!」 「……?」 ちぇんの後を追って飛び跳ねるぱちゅりー。そこにはまりさとありすがいた。二匹とも路地裏の隙間から大きなテレビ画面を 食い入るように見つめている。ぱちゅりーもそこへ視線を向けると、確かにそこにはれいむがいた。朝、会ったときと同じよう にボロボロの状態である。大画面にアップで移されたれいむが泣きながら、恐ろしい形相で何か叫んでいる。 「ゆ゛があ゛あ゛あ゛ッ!!! ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛にんげんざんはじね゛ぇッ!!! れいむは……に゛んげん゛ざん なんで、だいっぎら゛い゛だよッ!!! あ゛っぢにいっでね゛!!! すぐでいい゛よ゛ッ!!!!!」 威嚇をしながら画面いっぱいに広がるれいむの顔。テレビカメラに向けて体当たりをしているのだろう。四匹がガタガタと震 え出す。 「れいむ……そんなことを、にんげんさんにいったら……」 「じね゛ッ!!! じんでじま゛ぇ゛ぇ゛!!! れいむはぜったい゛にゆ゛る゛ざないよっ!!!」 路地裏の入り口を歩いていた主婦二人がテレビを見ながら会話をしている声が四匹に届いた。 「ゆっくりって怖いのね……」 「あんなのが街の中にいるなんて危なくてしょうがないじゃない。 ゆっくりなんかに子供がケガさせられたら、保健所に頼ん で一匹残らず殺してもらわなきゃ」 ありす以外の三匹がうつむいて唇を震わせた。れいむも、子供を殺されたからあんなに怒っているだけなのだ。あんな酷い事 をされても自分たちは怒ることもできないのか。悔しくてたまらなくなって、自然に涙が溢れてくる。ゆっくりにしてみれば、 逆ギレ以外の何物でもない。しかし、それを主張することはできないのだ。人間とゆっくりは決して対等などではない。野良で 生きるぱちゅりーたちはそれを痛いほどに理解していた。 「……にんげんさんは、ゆっくりできないね……」 翌朝。まりさとちぇんが堤防まで行ってみたがそこにれいむの姿はなかった。どこか遠くに逃げてしまったのだろうか。そう だと信じたい。二匹は辺りに漂う赤ゆたちの死臭に耐えられなくなり、足早にその場を後にした。ゴミ捨て場に捨てられていた ボロボロの赤いリボンは目に留まらなかったようだ。 四、 それからしばらくして、初めて地区単位によるゆっくりの一斉駆除が行われた。早朝、まだ眠っているゆっくりを巣ごと破壊 するのだ。逃げ惑うゆっくりも一匹残らず追いかけて潰した。成体、子ゆ、赤ゆ、種族問わず片っぱしからあらゆる方法で殺さ れていく。この段階になって他のゆっくりたちもようやく気がついたようだ。自分たちがあまりにも弱い存在であるということ。 徒党を組んで人間の領域に入り込み、それが上手くいっていたゆっくりたちほど意外にも事態の深刻さを深く理解していた。な ぜなら、人間が徒党を組んだのだ。自分たちよりも遥かに強い人間たちが自分たちを殺すためだけに。 「ごべんな゛ざい゛ぃ゛ぃ゛!!!」 どれだけ命乞いをしてもそれを聞いて躊躇う人間は少なくなってしまった。ゆっくりを生き物ではなく喋る害獣として淡々と 駆除を行っているように思える。少しずつ人間の意識は変化し始めていたのだ。その引き金を引いたのは他ならぬ自分自身。 「だずげでぐだざい゛い゛ぃ゛ぃ゛!!!」 黙々と叩き潰す人間たちの横顔はまるで機械のようだった。ゆっくりたちは調子に乗りすぎていたのだ。自分たちを潰せない のをいいことに好き放題やっていた。それを見た人間たちはついに自らゆっくりに手を下すことを決意したのだ。先日のニュー スで出た「人間は死ね」と言っていたれいむの影響も強い。迷惑な害獣から、殺すべき敵へとその意識を変えたのだ。殺戮の矛 先は街で暮らす全てのゆっくりに向けられた。 「どおしてこんなことするのぉぉぉぉ??!!!」 「ひどいよぉぉ!! れいむたち、ゆっくりしてただけなのにぃぃぃぃぃ!!!!」 いつの世も、人々は事象の側面しか見ることができない。街には二種類のゆっくりがいる。人間の領域に集団で侵入し、社会 を荒らし回るゆっくり。人間から隠れ、静かにひっそりと暮らすゆっくり。本当に悪事を働いていたゆっくりも、本当に何も悪 い事をしていないゆっくりも、等しく人間たちに潰される。一部のゆっくりのせいで、全てのゆっくりが命を脅かされる事とな ったのだ。 その余波は廃材置き場で暮らすゆっくりたちにまでも及んでいた。とは言っても、このゆっくりたちが暮らす地区はまだ一斉 駆除は行われていない。その代わりに多くの難民と化したゆっくりたちが集まってきたのだ。廃材置き場の周辺にもゆっくりの 姿を多く見かけるようになった。 「むきゅー……。 こまったわ……。 こんなにたくさんゆっくりがあつまっていたら、すぐににんげんにみつかってしまうわ」 今のところ、人間たちが廃材置き場まで入ってきた事は無い。ここはできるならば視界に入れたくない都会の負の遺産だ。そ れに加えて決して明るいとは言えないこの路地裏の奥で、ゆっくりたちの反撃に遭うのを恐れているという面もあったのかも知 れない。ここにも、堤防のれいむがニュースで叫んだ言葉が影響を及ぼしていたのだ。ぱちゅりーたちはそれには気づいていな かったがメディアの及ぼす影響力というものがどれほどのものか、身をもって示していたのである。 そんなある日のこと。 「皆さん! 今日は都会のゆっくりたちのコミュニティ……。 路地裏の奥にあるという廃材置き場で暮らすゆっくりたちの姿 を見てみようと思います!」 白昼の路地裏に数人の人間たちがついに廃材置き場へと侵入してきたのだ。入り口付近で暮らしていたゆっくりたちが飛び起 きて奥へと逃げて行く。ニュース番組の取材だった。ぱちゅりーたちは気づかないだろうが、堤防で暮らすれいむをカメラに収 めたのもこのテレビ局である。彼らは都会で暮らすゆっくりたちの特集を組んでいた。なぜか。それは暗にゆっくりがどういう 場所を好んで住みつくかを一般人に周知する意図が組まれている。人間たちはあらゆる手段を使って、ゆっくりたちに対して先 手を打ち始めていたのだ。 「ぱちゅ~~~!! たいへんなんだね~!!!」 ちぇんとまりさが勢いよくぱちゅりーのおうちに駆けこんできた。ぱちゅりーも外が騒がしいのは気づいていたので、難しい 表情をしている。 「……にんげんさんが、きたのね?」 「そ、そうだよ……っ。 ど、どどど……どうしよう。 みんな、えいえんにゆっくりさせられちゃうよっ!!!」 「……ぱちゅが、にんげんさんとおはなしをしにいってくるわ」 「だ、だめだよーー!! ぜったいゆるさないんだねーーー!!!」 「……どうして? ぱちゅがなにもしなくても……きっと、もう、みんなぶじではすまないはずよ……?」 「みんでいっしょにもりにかえる、っていったよねーーー!!!」 「むきゅ。 いっしょにかえるために、にんげんさんとあってくるのよ」 「わ、わからないよー……」 ぱちゅりーがのそのそとおうちを出て行った。ぐるりと辺りを見回すと、ゴミの隙間のあちらこちらからゆっくりの不安そう な顔が覗いている。ぱちゅりーは、ずりずりと廃材置き場の中央へとあんよを進めた。テレビカメラを持った男が廃材置き場の 中をゆっくりと歩いている。リポーターの若い女性もゆっくりたちの住処に興味津々のようだ。 「下手に手を突っ込まないほうがいいですよ。 噛まれるかも知れない」 「そうなんですか?」 「――――あなたたちは、ゆっくりの事を知らなさすぎる」 黒服に身を包んだ長身の男が静かに言い放つ。リポーターの女性が少しだけ怯えている。 「ぱちゅたちは、そんなことはしないわ」 テレビ局の人間たちの前に一匹のゆっくりが現れた。カメラをそちらに向ける。不気味なほど静まり返った廃材置き場の真ん 中でぱちゅりーと人間たちが対峙した。 リポーターの女性がテレビカメラに向き直り喋り出す。 「みなさん! ゆっくりがいました……! 確かぱちゅりー種です」 「むきゅ? ……にんげんさんは、ぱちゅのことをしっているのかしら……?」 「――――カメラを止めろ」 「え?」 黒服の男がぱちゅりーへ歩み寄った。ぱちゅりーは黒服を見上げたまま動かない。 「お前がこの群れのリーダーなんだな」 「むきゅ。 そのとおりよ。 おにいさんはゆっくりできるひとかしら?」 「――――知らんな」 「おにいさん。 ぱちゅ、ゆっくりおねがいがあるのだけれど、きいてもらえないかしら……?」 「言ってみろ」 「……ぱちゅに、“めでぃあさん”とおはなしをさせてちょうだい。 にんげんさんたちにつたえたいことがあるのよ」 静かに言葉をつなぐぱちゅりーに、リポーターを含めた局の人間が戸惑いの表情を浮かべていた。いつのまにか、ぱちゅりー の言葉に耳を貸してしまっている。そして、このゆっくりが人間に何を伝えようとしているのか純粋に興味があった。 「――――局に連れて行け。 取材は終わりだ」 黒服の無感情な物言いに眉を吊り上げるカメラマン。慌てて他のスタッフがなだめに入る。 「駄目ですよ! “公餡”の言うことは絶対だって言われてるじゃないですか!」 「抱きかかえて連れて行くんですか?」 「好きなように持って行くといい」 「むきゅきゅ。 ぱちゅはわがままはいわないわ。 にんげんさんたちのあとをついていくだけでもかまわないのよ?」 結局ぱちゅりーは若い男に抱きかかえられてテレビ局の車へと乗り込んで行った。人間の気配が完全に無くなったのを見計ら い、たくさんのゆっくりたちが広場に集まってくる。どのゆっくりも不安で表情を曇らせている。自分たちの中で最も頭の良い ぱちゅりーが人間たちに捕まってしまった。少なくとも、ゆっくりたちにはそう見えた。 「ぱちゅりー……」 ゆっくりたちが呟く。薄曇りの空の下、ゆっくりたちはぱちゅりーが無事に戻ってくることだけを願っていた。眠気も、空腹 も忘れてしまうほどに。 ちぇんは巣穴の中でずっと泣いていた。大好きなぱちゅりーが人間と共にどこかへ行ってしまったことが不安で仕方がないの だろう。ちぇんは、一度みょんが人間に連れ去られたところを見ている。その時の光景とダブってしまっているのだろう。涙が 絶え間なく溢れてくる。ぱちゅりーを失うのが怖くて怖くてたまらなかった。 まりさもありすも、おうちの中で震えていた。人間たちはこの場所を覚えた事だろう。自分たちよりも遥かに記憶力のある人 間たちがこの場所を忘れるはずがない。それは、いつ人間たちがここに現れて自分たちを殺しに来てもおかしくないという事だ った。また目の前で仲間を失うのが、怖くて、怖くて、たまらなかった。 日が陰っていく。ゆっくりたちは動かない。皆、ぱちゅりーの帰りをひたすら待っていた。信じてはいたが、数匹のゆっくり たちはぱちゅりーが既に永遠にゆっくりしてしまったのだと諦めているものもいた。人間たちは恐ろしい。自分たちを平気で殺 す。そんな人間たちに捕まってしまったぱちゅりーが無事で済むわけがないのだ……と。 「むきゅ」 廃材置き場に聞き慣れた声が響いた。群れのゆっくりたちが一斉に広場へと飛び出す。そこにはぱちゅりーがいた。ゆっくり たちが歓声を上げる。ちぇんも恐る恐るぱちゅりーの元へと近寄って行った。 「どうしたのかしら?」 「ぱちゅ……? ぱちゅなんだよね?」 「むきゅきゅ。 そうよ」 「よかったよーーー!!! ゆわーん、ゆわーん!!!」 ぱちゅりーに頬をすり寄せながら泣き叫ぶちぇん。それを見て周りのゆっくりたちも一安心と言った様子だ。余談ではあるが、 ちぇんがぱちゅりーの事を好きだということを知らないゆっくりは一匹もいなかった。だから、ぱちゅりーの無事と嬉しそうに 涙を流すちぇんの顔を見て、ホッとしたのだろう。ずりずりとあんよを這わせておうちの中へと戻っていく。いつのまにか、ま りさとありすも二匹の元へとやってきていた。 「むきゅ。 みんなで“めでぃあさん”のところへいきましょう」 「どうして?」 「ぱちゅは、“めでぃあさん”とあって、おはなしをさせてもらったのよ。 “めでぃあさん”はぱちゅたちのきもちをにんげ んさんにつたえてくれるとやくそくをしてくれたわ」 「そ、それじゃあ……っ!!」 「むきゅ。 みんなでいっしょにもりへかえりましょう!!」 「ゆ、ゆっくり~~~~~~!!!!」 “ゆっくり”。この言葉を使ったのは久しぶりだった。いよいよ森へと帰る時が来たのだ。ぱちゅりーの話によれば、人間た ちは思った以上に自分の言葉を真剣に聞いてくれたらしい。人間たちが自分たちの事が嫌いなら仕方がない。だから、自分たち で森へ帰る。その言葉に対して異論を唱える者はいなかったと言う。その想いを他のたくさんの人間たちに必ず伝えると約束し てくれた。そして、ぱちゅりーは少しも酷い目に遭わされずにここへ帰してもらった。 「やさしいにんげんさんもいるんだねー……」 「むきゅ。 そうよ。 ぱちゅたちも、にんげんさんも、おなじなのよ」 「どういうことなの?」 「やさしいゆっくりもいれば、わるいことをしてしまうゆっくりもいる。 ……ぱちゅたちも、にんげんさんはみんな、こわく てゆっくりできない、っておもいこんでいたのかもしれないわね……」 「いつか……にんげんさんとなかよくなれるひがくるかな……??」 「すぐにはむりかもしれないけれど……。 いつかきっと、にんげんさんたちもゆっくりのことをすきになってくれるひがくる とおもうわ。 ……ぱちゅは、そう、しんじていたい」 自分たちが生きている間は無理かも知れない。でも、自分たちの子供の子供の……そのまた子供たちなら、仲良く人間と一緒 にゆっくりと過ごす日が来るかも知れない。そんな夢のような光景を瞼の裏に思い浮かべながら、四匹は路地裏の入り口へとあ んよを跳ねさせた。軽やかなジャンプは心の奥で閉ざされていた扉が解放されたことによるものだろう。まだ見ぬ森に想いを馳 せると自然に涙が溢れてくる。泣くのは早いと分かっていても、溢れてくるのだ。ぱちゅりーはそれだけでなく、新しい希望を 自分たちに見せてくれた。遠い未来、人間とゆっくりが仲良く暮らす優しい世界。飼いゆっくりとして飼い主と一緒に過ごした 時間の記憶は消えてしまったわけではない。ゆっくりたちの多くは、なぜ自分たちが捨てられたか理解していないものが多かっ た。だから、本心では仲直りを望んでいるゆっくりたちも少なくはない。 だが。現実はそんな夢を簡単に打ち砕いた。 「どういうこと……なの?」 「わからない……わからないよー……」 「ぱちゅ、りー……?」 「そ、そんな…………。 そんな……っ!!!」 大画面の中で人間と話をするぱちゅりー。“メディアさん”の中のぱちゅりーは、静かな声でテレビの前に集まっていた人間 たちに語りかけていた。 「にんげんさんはゆっくりできないげすばかりだわ。 ひっしにいきているぱちゅりーたちをゆっくりさせてくれないなんてあ んまりよ。 ぱちゅりーは、けんじゃだから……ばかなにんげんさんとはちがうのよ? やさしいぱちゅりーたちをおこらせた らどうなるか……ゆっくりとおしえてあげるわ」 「具体的にはどうするんですか?」 「きまっているでしょう……? にんげんさんたちがぱちゅりーたちをころしにくるんだから、ぱちゅりーたちもにんげんさん たちをころしにいくわ」 「殺す……? ゆっくりが、人間を……?」 「そうよ。 ぱちゅりーたちはもうがまんのげんっかいっ!だわ。 にんげんさんたちはぱちゅりーたちのことがきらいでしょ う……? ぱちゅりーたちも、にんげんさんたちのことが……だいきらいだわ」 そのニュースに釘付けになっているのは、ぱちゅりーたちだけではない。そこに集まる人間たちも食い入るようにテレビを見 つめていた。 「むきゃきゃ!! かくごしてちょうだいっ!!! ぱちゅりーたちをゆっくりさせないげすなにんげんさんは……っ!! み んなでせいっさいっ!してやるわ!!!!!」 ガタガタと震えるぱちゅりーを三匹が見つめる。ぱちゅりーは口をパクパクと動かしていた。三匹はぱちゅりーを廃材置き場 へと移動させる。それでも震えが収まらないぱちゅりーに三匹が静かに頬をすり寄せた。ようやく落ち着きを取り戻したのか、 ぱちゅりーが消え入るような声で呟く。 「……いってない……。 あんなこと、ぱちゅはひとことも……いってないわ……っ」 「で、でも……」 “メディアさん”の中にいたのは間違いなくぱちゅりーだった。疑いの念を持つのは当然のことである。ちぇんがまりさの前 に立ちはだかった。 「まりさ! ゆっくりしてよー! ぱちゅが、あんなことをいうわけがないんだねー!!!」 「おねがいよ……しんじてちょうだい……。 しんじて……っ!!」 泣きながら訴えるぱちゅりーの姿を見る限り、嘘をついているようには見えない。まりさがぱちゅりーに謝った。ありすもそ れに続く。しかし、何故こんなことになってしまったのだろうか。人間を制裁するなどと言ったら、どれほど人間たちが怒るか 分からない。 まだニュースは続いていた。それは告知である。明日、保健所による大規模なゆっくりの一斉駆除を行うとの通達。一般市民 によるボランティア活動も積極的に促されていた。明日は休日である。テレビで流れた“ぱちゅりー”の言葉が数多の引き金を 引いた。保健所には駆除活動のボランティア参加表明の電話が殺到していたのである。街の人間たちが一つになった。全ては、 街で暮らす野良ゆっくりを一匹残らず殲滅するために。 一方で、少しだけ落ち着いたぱちゅりーは群れのゆっくりたちを広場に集めて宣言した。 「むきゅ!! みんな、ゆっくりきいてちょうだいっ!!!」 静まり返る一同。 「いまから、みんなでもりにむかってかえりましょう!!!」 突然の計画実行に戸惑いを隠せないゆっくりたち。ぱちゅりーは仲間のゆっくりたちが納得するまで懇々と説得を続けた。人 間たちが本気で自分たちを殺しにやってくるかも知れない事。ここに固まっていれば皆一緒に捕まって永遠にゆっくりさせられ てしまうかも知れない事。群れのゆっくりたちはようやく重い腰を上げた。 「ゆゆっ! ゆっくりすすむよ! そろーり! そろーり!!」 「もりにかえるまえにごはんさんをむーしゃむーしゃしようね!!!」 「ゆっくち! ゆっくち!!」 「かわいくってごめんねっ!!!」 若いゆっくりはぴょんぴょんと廃材置き場を飛び出して行った。家族連れのゆっくりは赤ゆに合わせて移動をしている。動き はバラバラだった。こればかりはぱちゅりーたちではどうすることもできない。ぱちゅりーが苦々しい顔で空を見上げた。今日 は星空が見えず、月に傘がかかっていた。 「……むきゅっ! ぱちゅたちもいきましょう!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 「わかったんだねー!!」 「みんなでもりにかえりましょう!!!」 最後尾をぱちゅりーたちが進む。 午後十時三十七分。夜の街の中、ゆっくりたちが大移動を始めた。決死の脱出劇の始まりである。 会議室に三人の男たちが集まっていた。保健所の所長。テレビ局のプロデューサー。黒服の男。 「――――どうですか。 これなら、街中の野良ゆを一斉に駆除することができるでしょう」 「……そうだな。 ……感謝はしている」 「むきゅ。 だからはじめからぱちゅりーたちにたのんでいればよかったのよ」 床に一匹のぱちゅりー種がいた。ナイトキャップに金色のバッジがつけられている。プロデューサーが黒服に質問をした。 「このぱちゅりーに付いているバッジは一体なんなんですか?」 「公餡に所属するゆっくりの証ですよ」 「これだけで分かるもんですかねぇ……」 「そのバッジには発信器と識別番号が振ってあります。 まぁ、私たち公餡の人間が自分たちの組織に所属するゆっくりと他の ゆっくりを見間違えるなどあり得ない話なので必要はないのですが」 「むきゅ。 さっきからしつれいよ。 ぱちゅりーたちのおかげで、“くじょ”のじゅんびがととのったくせに!」 喚く金バッジのぱちゅりーが気に入らないのか所長が悪態をついた。 「多額の依頼金を出してお前みたいな若造しか寄越さないとはな……っ!!」 「――――すみませんね。 今はちょっと九州支部の尻ぬぐいで有能な連中が出払ってまして」 野良ゆ対策に追われて疲弊し切った保健所は公餡・関東支部に助力を申し出た。それで派遣されたのがこの黒服の男である。 男はあっと言う間に一般市民を使った野良ゆ包囲網を作り上げた。全ては明日の一斉駆除のためだけに焦点を合わせて。野良ゆ の特集は全て公餡によって仕組まれたものだった。人々はゆっくりを自分たちに近しい何かと勘違いしている。ならば、ゆっく りの負の面だけにスポットを当て、報道を繰り返すことで「ゆっくりはどうしようもない害獣」という世論を作り上げたのだ。 「あの野良ぱちゅりーにも、発信器を仕掛けてあります。 あの群れだけは街から出してはいけません」 「何故だ?」 「人間と関わった熊が、人間を襲う人食い熊になるという話はご存じでしょう?」 「ははは。 ゆっくりが人間を襲うようになるか! 傑作だな」 「……まぁ、街で得た人間の知識を野生の群れに持ち帰られるのはよろしくない。 あの野良ぱちゅりーの目的は街を出る事だ と言ってましたね?」 「そうだが……?」 「……ゆっくりが道具を使うようになったのも、徒党を組んで悪さをするようになったのも、全て人間から得た知識です。 そ れを野生に伝えたらどうなるか……」 一呼吸置いて、続ける。 「森で暮らすゆっくりの大群が徒党を組んで、街を襲撃しにくる……なんてことも考えられますよ」 腹を抱えて笑う所長とプロデューサーを金バッジぱちゅりーが睨みつける。黒服の男はクスリと笑った。 「……既に農村部でゆっくりによる畑荒らしの被害に遭っている農家もいるというのに、呑気な連中だ……」 聞こえないように、そう、呟いた。 つづく
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『君の笑顔』 7KB 愛で 小ネタ 愛護人間 希少種愛でが嫌いな方はご遠慮ください リハビリ3作目 それはある日の会社帰りの事だった いつも寄り道なぞ殆どする事のないはずの娘が、その日に限って何故か公園で待っていると携帯にメールしてきた。 その公園に行くと何故か泣きそうな顔の娘と、その手に抱かれた1匹のゆっくり。 これがめーりんとの出会いだった・・・・ 『君の笑顔』 「パパ!この子死にそうなの!怪我しているの!お願いだからなんとかして!」 私は普段無口で、内向的な娘が感情を露にした事に驚く。 聞けば学校帰りに小さな鳴声が聞こえたので、公園に立寄りこのめーりんを見つけたとの事。 見つけた時には既に怪我していて、かなり衰弱していたようである。 「わかった!とりあえずうちに連れて帰るぞ!」 「うん!」 私はめーりんを連れて帰り治療する事にした。 ゆっくりの治療はした事はあったがめーりん種は初めて、通常種と同様の治療をしていいのかよく分からなかったがとりあえずオレンジジュースを飲ませてみる。 「ほらオレンジジュースだよ、パパ本当にこんなのが効くの?」 娘はゆっくりについて良く知らないらしく、オレンジジュースで怪我が回復するという事が信じられない様子。 実際の所は私も半信半疑なのだが、前に私に助けを求めにきた野良ゆっくりがオレンジジュースで怪我を回復させたので信じるしかない。 「ああ大丈夫だよ、安心して飲ませてあげなさい。」 私の言葉に安心したのか、娘はめーりんの前にオレンジジュースを入れた皿を差し出す。 しかしめーりんは一向に飲もうとはしなかった。 「あれ?パパこの子飲んでくれないよ?」 怪我の原因が人間にあり、人間不信に陥ってしまっているのかもしれない。 こちらを横目で伺いながら震えているめーりんを見てふとそう思った。 しかしこのままではめーりんの命に係わるだろう。 「指先をオレンジジュースで濡らして、めーりんが舐めるまでそっと差し出してみなさい。」 「え?う・・うん」 私に促されて娘は皿に指を浸けると、めーりんの前にそっと差し出す。 顔を背け舐めようとしないめーりんだったが娘も粘った、30分程してこの根競べはめーりんが折れる。 「パパ~めーりんがジュースを飲んでるよ~」 「かなみの気持ちが通じたんだな、頑張ったな偉いぞ。」 「うん」 喜ぶ娘の頭をそっと撫ぜてやる。 正直、私がやっていたらめーりんは絶対に飲まなかったであろう。 娘の純粋に、めーりんを助けたいと思う気持ちが通じたのだと信じたい。 そして娘のその笑顔は、めったに見れない程に嬉しそうであった。 「めーりんご飯だよ」 「じゃお~~ん♪」 あれから1週間たった。 めーりんの怪我もすっかり回復し、人間不信も解消されたのかすっかり娘に懐いている。 友達の少ない娘は学校が終わるとすぐに帰宅して、めーりんと過ごすのを楽しみにするようになった。 庭でめーりんと遊ぶ姿からは、部屋に閉じこもり本ばかり読んでいた姿は信じられない。 「めーりん寝るよ~」 「じゃおお~~ん」 娘の後ろをついてまわる姿はさながら妹のよう、娘も姉にでもなったような気分を味わっているのであろう。 主張が苦手だったのが、妹を守る意識が芽生えたのか改善の様子が見られる。 「きゃ~めーりんかわいい~~~~~~」 「あはははは、じゃお~んだっても~超~~可愛いんだけど~~~」 しばらくすると娘と同じように、ゆっくり飼っている同級生が遊びに来るようになった。 今まで友人なんてものを連れてきた事が、これまで1度も無かったので正直感動物である。 これもめーりんのおかげだと思う。 だがそんなめーりんとも別れは突然やってきた・・・・・ 「パパ・・・・めーりんが・・・めーりんが元気がないの・・・・」 朝起きた時にはぐったりしていて、いくら呼んでも反応が無かったのだと言う。 まさかとは思ったが、私はめーりんを持ち上げて腹を見て絶句した。 そこにあったのは小さな黒い斑点。 「どうしたのパパ?めーりんどうしちゃたのかな?」 「いや・・・なんでもないよ今日は調子が悪いだけさ、めーりんはパパが病院に連れていくから気にしないで学校いっといで。」 「うん・・・わかった・・・じゃあパパめーりん行ってくるね。」 咄嗟に誤魔化したがこの斑点は間違いなく黴である。 身体は毎日洗っていたのだから表面に出来る事はない、これは内部から侵食されていたのであろう。 ゆっくりとって黴は致命傷、それも表面ならまだしも内部だと絶望的。 それでも娘の笑顔を思い出すと、とてもではないが言える訳が無い。 私は会社を休み、駄目だとは思いつつもめーりんを病院へと連れて行った。 「どうですか先生・・・」 「これは大分侵食されてますね・・・・手の施しようがありません・・・」 「何とかなりませんか?この子のおかげでやっと娘が元気なったんですよ!」 「・・・・・・・・・残念ながら」 私が医者に何度食い下がろうと、めーりんを治す方法は無かった。 めーりんと初めて出会った公園のベンチに座り、私はただただ呆然とする。 帰って娘に何と言えばいいのだろう?きっと泣きじゃくるに決まっている。 見上げる空の蒼さが私の心を掻き乱す。 「おかえりパパ~・・・・・どうしたの?」 「あ・・・いや・・・・」 「!」 夕刻になって途方に暮れながらも帰宅すると、玄関前で娘が待っていた。 私の表情から何かを察したのか、そのまま部屋に閉じこもってしまう。 医者に言われためーりんの余命は長くてあと3日程・・・・ 娘はそれからは、めーりんに関わろうとはしなくなりまた部屋に閉じ篭るようになった。 「めーりん苦しいか?そうだよな~何もしてやれなくてごめんな・・・・」 「じゃ・・じゃお・・・」 私はめーりんを膝の上に乗せて娘の笑顔を思いだす。 あの子がこんなに明るくなったのは、間違いなくめーりんのおかげである。 このままではいけないと、私はめーりんを抱きかかえ娘の部屋の前に立つ。 「かなみ?いるんだろ?めーりんが寂しがってるぞ?」 「いやなの・・・もういやなの・・・」 「かなみはめーりんが嫌いになっちゃのかい?」 「・・・・・・・大好き。」 「じゃあちゃんと見てあげないと、めーりんはかなみに嫌われたと思って悲しいままいかなくちゃいけなくなるよ?」 「・・・・パパ・・・・本当にめーりんもぅ駄目なの?」 「・・・・・・・・・。」 30秒の沈黙がこれほど重苦しく感じた事は無い、程なくして娘は部屋から出てきた。 今夜は寝ないで、2人でめーりんを看ようと言うと娘は黙って頷く。 めーりんを膝に抱え思い出話をする。 その間もめーりんは苦しそうだった、何もしてやれない無力感が悔しい。 「じゃ・・じゃ・・・・じゃお・・じゃおおおおお」 やがてめーりんに変化が現れだす。 いよいよその時が来てしまったのかと覚悟を決める私と娘。 しかしその思いは刹那に歓喜に変わる。 「ちゃお・・・ちゃお・・・・」 「え?こ・・・これは?」 「赤ちゃんだ!めーりんの赤ちゃんだ!」 めーりんのまむまむから小さな小さな赤ゆが1匹だけ生まれてきたのだ。 どうやらめーりんは妊娠していたようである。 通常ならば動物型妊娠でも1~2週間で生まれるのだが、怪我をしていためーりんは赤ゆに栄養を上手く送る事が出来ずに発育が遅れていたようだ。 その後めーりんは我子を確認すると眠るように息を引取った。 残された私は娘は悲しむ間も与えられず、未熟児として生まれためーりんの忘れ形見を死なせないように必死になる。 「先生開けてくれえええええ!今すぐじゃないと駄目だんだあああああ!!!」 「お願いせんせ~~~めーりんの赤ちゃんが死んじゃう~~~~」 早朝から病院に駆け込み医者を叩き起こし赤ゆを保育器に入れてもらった。 無茶な御願に対応してくれた医者には、本当に感謝の思いが絶えない。 あと僅かにでも遅ければ、めーりんの子供は死んでいたかもしれない。 幸いにも赤ゆにまでは、黴の脅威は及んでいなかったらしく助かった。 「パパ・・・・」 「ん?」 「この子はめーりんの生まれ変わりだよね?」 「そうだな・・・めーりんはどうしてもかなみの事が心配だんだろうな。」 「うん・・・・」 「でもこの子を飼うとまた、同じ悲しい思いをする日が来るけど大丈夫か?」 この問いかけに娘は私の目を見ながら大きく頷いてみせる。 命の尊さを学んだ娘は、めーりんのおかげでまた1つ成長を遂げる事が出来た。 この子も大事にしてあげなければいけないなと堅く心に誓うのであった。 おわり
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「ふたば系ゆっくりいじめ 852 よくしゃべるものたち/コメントログ」 泣ける話だった 特に2作目はご都合主義だけど、ゆっくりできる話だったと思う -- 2010-04-07 15 42 25 救いがなくて後味が悪い。 -- 2010-07-11 04 46 32 最初の話の赤れいむの所がちょっと印象的だった。 虐待じゃないけどいいねこれ -- 2010-07-26 03 55 08 赤れいむは何を思っていたんだろう… -- 2011-03-06 12 37 25 どれもおもしろかったよ 欲を言えば三作目は子まりさをもっと不幸のどん底に落としてほしかった -- 2011-10-22 17 15 14 壱、うぜ絵、そしてなげえ。でいぶは頭がいいんだな、悪い方に。 弐、こういう話はイイ!! 参、ゆっくりにしては器用。 -- 2012-03-19 21 34 59 最初の話の赤ゆが、モンスターペアレントの子みたいな心境だな -- 2012-03-20 01 55 58 1 しんぐるまざーに対して「私もシングルマザーなんだよ?」って言って論破してみたいw 2 ドスなのに勝手に生えてくる論って違和感あるんだよね。ドスって小学生以下なの? 3 思い込みで喋るゆっくりの方が腹話術向いてそう。 -- 2018-01-22 22 31 28